雪組(東京宝塚劇場)「ベルサイユのばら/オスカル編」
■2006/04/20(木)

役替わりは
アンドレ:貴城けい
アラン:水夏希
ジェローデル:壮一帆
です。


 以前(2001年)に星組で見たときは植田臭がキツくて、ものすごく、ものすごく辛かったのですが、今回はとっても見やすかったです。その理由を考えると

 (1)嫌いな場面(子守歌で泣くとか、格言とか、鳴り物とか)がカットされた
 (2)オスカルの悩みが「女だから」ではない
 (3)コムちゃんが、イケイケ、かつ、アイドルキャラ

 (1)について。子守歌自体はあったけど、最後はフランスのために頑張るぞー、に繋がったので辛さは半減。その他、「見せ場」としての「見せ場」が少なくなったため、クドさが薄らいだ。ちょっと物足りなくもあるけれど、でも、見やすい。話が繋がっている。
 (2)について。オスカルが悩むのは、「女」だから、ではない。「人間」として平等であるべき、貴族も平民もない。そっちの方。だから「男」として生きなければいけない「虚勢」と、女である「真実の私」に落差をつける必要がないので、女々しくない。女であることを素直に受け入れているが故に、かえって凛々しい。そーいえば、フェルゼンとの恋バナも無かったな。その辺が良かったのかも。原作とは違うけれど、これはこれでイイのでは?
 (3)について。(2)と被るところもあるけれど、とにかく女々しくない。自分に自信を持って生きている。そして、みんなに愛されている。なんてったってアイドルなのだ。
心が酔うと書いて
心酔と読む

ってなもんなんだわい。みんなオスカル様に首ったけ。それが自然なコムちゃんなのだった。私は結構好きだなあ。

 あと、あれね。
ペガサス!
写真では知っていたけれど、ナマで見れば感動ひとしお。銀橋の辺りまでせり出していました。それに満面の笑顔で乗るコムちゃん。エライ!素晴らしい!!ハラショー!!!最後に金の紙吹雪が舞ったときは、思わず噴き出しちゃった。ごめんね。客席も、1幕の幕が降りたときは、ものすごくどよめいていましたね。そりゃ、そうだよね。

 なんのかんのいいつつ、「シトワイヤン、行こう〜」は感動する。中途半端な万歳は、今回の演出すべてがそうなのだろうか。トウコちゃんより笑える要素が少なかったけど。

 でも、ロザリーの扱い、ってか、娘1の扱いは大不満だなあ。もったいない。結婚相手がハマコとは!ロザリーが夜這いに来たときは、ちょっとビックリした。
今宵一夜
オスカル・フランソワ・
ド・ジャルジェの妻に

って言い出すんじゃないかと、ドキドキしちゃったよ(爆)でもさ、女に告白されて平気の平左のオスカル様もアレだけど、言いくるめられて帰っちゃうロザリーもアレだよな。まあ、この場面があるから、その後の「オスカル様の好きなように」も、説得力のある言葉になっている。ダイジェスト版だと悪魔の囁きになっちゃうんだけどね。

 コムちゃんは、とにかく凛々しい、カッコイイ。私も衛兵隊士になってオスカル様を守りたいよ。かなり顔がほっそりした。頬がこけている。これが「ベルばら」という大作に当たったプレッシャーなのか、白いタイツを着こなすためにダイエットした結果なのかは不明。太股も尻も厚みが殆ど無く、実に綺麗な白タイツ姿でした。ビジュアル最高!
 まーちゃんは、ねえ。出番少ないし。でも、小間使いの時の方が合うよね。パレードの、これでもかのピンクのドレスは、あんまり合わない。
 かしげは、まさに影だなあ。突然熱くなるけれど。オスカルをずっと見守ってきたんだよね。ロン毛もいいけど、かしげはやっぱりおでこだよな、と、ショー部分を見て思う。
 ミズは、
やさぐれてこそ
水夏希

ってなもんだ。アランが似合う。こういうタイプが似合うよね〜
 荘くんのジェローデルは、演技は悪くないけれど、カツラがちょっとヘン?なんか、顔立ちにあっていないような。キム君は、いつもの系統だけど似合っている。娘2が見えにくい組だなあ。ディアンヌのしなちゃんが娘2?
 
 歌が聴き取りやすいので、「歌劇」としてもバッチグー。しかし、星組を観た後だと、ちょっとゴージャスさに欠けるかな。ヴェルサイユが出てこないせいもあるけれど。
 エトワールは美穂さん。好きだけど、たまには美穂さん以外でも観てみたいなあ。「青いドナウの岸辺に〜」は、あんまり音域が合っていないのかな?思っていたほど音に厚みはなかったな。

 なんのかんの文句を言っていましたが、最悪を覚悟していたせいか、なかなか楽しく観ることができました。3500円なら、ペガサスを観るだけでモトが取れますわ!