「モダン・ミリー」(新国立劇場 中劇場)
■2007/04/21(土) 
1幕前半までは、リカちゃんの歌が厳しくて
ドキドキしちゃいました。
「タイタニック」では、あまりにも声が出ていなくて
これじゃ「ミュージカルに主演します」って言われても
会場でチケットを買って帰る人なんて皆無だろうなあ、と思ってまして。
あの後ちゃんとボイトレしたかなあ、
主演なんだし、って、ほのかに期待したけど
それほどでは無かったような歌に、ちょびっとガックリ。

でも、だんだん「ミリー」という女性が見えてきたので
歌唱力は、それほどは気にならなくなりました。
家に縛られず、仕事に生き、
恋や結婚にも理性で望む。
そんな「新しい時代」の女性になりたくて背伸びをしている。
その必死さに、なんだか泣けてきて。
辛い、とか、そんな感情は、捨て、
理性だけで生きようとしても、無理なんだよね。
結局は、青い鳥は近くにいて、大団円。
無理矢理だって?
それを納得するのがミュージカルなのよ。

樹里ちゃんは、お金持ちのお嬢様。
チラシ写真ほど、ヘンじゃなかった。
天然なところが良かったよ〜〜。
ソプラノの歌声が綺麗だった。
岡さんとの掛け合いが絶妙だったな。
「捕まえてごら〜ん」「うふふふふ〜〜」には
腹を抱えて笑っちゃったよ。

川崎さんは、むか〜し、「ナッキーはつむじ風」なんか
見ていた者からすると、リカちゃんと共演しているのが
ちょびっと不思議。
背が高く、舞台映えがする。
声も、台詞、歌とも、鍛えられている。
やっぱ「スターライトエクスプレス」に出ていたことがあるわ。
東宝ミューとは違った歌唱方法だけど、
うまいと思うよ。
なんでもやってきた、と、坊ちゃん、の2面性が
ちゃんと出ている。

で、岡さんだよ。
すごいよ。
どうすごいかは、会場で確認してちょうだい。
これしか言えないわーーー。

ビバリさんも大迫力。
ピンキーは華やか。



■2007/04/22(日) 
2回目は、もう歌唱力のことなど忘れ
リカちゃんの「ミリー」を楽しむことができました。
やっぱり、人物を作るのがうまいわ。
そこが好きなのだわ。
できれば、バラードの最後の高音を
頑張って欲しいけどね。

前にも思ったけど、ミリーの速記者としての能力って
もうちょっと書き込まれてもいい気がする。
彼女1人だけボス付きってのが、
早口を聞き取れるからとはいっても、
それを書くスピードもいるわけで。
田舎では有能だったのだろうか。
それとも、隠れた特技的なものなのだろうか。
どっちにしろ、話はそれ前提でできているんだけど。

衣装・舞台美術のセンスがいいよね。
タイプ室の女性達の衣装も
みんな微妙に違うんだよね。
踊りの振付もいいし。
赤いドレスにあの髪型、ってんで
「スウィート・チャリティ」と
イメージとして被りそうだったんだけど、
実際に見ると、雲泥の差だった。
さすがに向こうから、いろいろ持ってきただけはあるな。

岡さんはさらにパワーアップ。

ピンキーは、
「去年の今頃は『今浜』の女将」と
どーでもいいことを思い出す。

「くるみ」の音楽が使われているのは
なぜだろう。

ひとつ難を言えば、
ソロの歌が少々長めかも。
途中で聞いてて飽きてくるときが・・・



■2007/04/29(日) 
今日は千秋楽でした。
リカちゃんの喉が保つか心配だったけど
ギリギリ大丈夫だったみたいね。
「大海賊」の悪夢再びにならなくて良かったわ。
3回見て、席は、2階1列→1階7列→2階2列、だったので、
今日は前回より音響が悪く感じました。
オケの音の方が強すぎるような。
それもあって、1幕のリカちゃんはリカちゃんにしか見えない時が。
でも2幕からはミリーだった。
ミリーが、舞台の上にいた。

千秋楽なので、遊びもチョコチョコ。
リカちゃんがソファのデュエットで
樹里ちゃんの脚をつんつんしたり。
顔を寄せたときに、アクシデントがあった?
なにかがからまっちゃった??
最後のナンバーで、
川崎さんが白薔薇一輪をリカちゃんに渡し、
リカちゃんは何回目かのアンコールで
それを髪に挿していました。
何回目のアンコールの時か忘れたけれど、
最初にリカちゃん1人が挨拶して、
それから左右に顔を向けて出演者の登場を促して、
上手は川崎さん、下手は岡さんと手を繋いだんだけど
その時岡さんが、握ったリカちゃんの手を
もう片方の手で、ポンポン、って叩いてくれて。
嬉しかったなあ。

楽しい芝居でした。