宙組(東京宝塚劇場)「NEVER SAY GOODBYE」
■2006/06/04(日)
 キャサリン・マクレガーの孫娘ペギーは、ヴィセント・ロメロの孫エンリケの案内で、カメラマン・ジョルジュの遺骸が埋められたスペインを訪ねる。ジョルジュはキャサリンの恋人であり戦友だった。ジョルジュが撮り続けた「真実」、スペイン内戦中、独立をかけて戦った仲間達とキャサリンの真実が、いま明かされる・・・。


 で、いいのかなあ。ジョルジュのモデルはロパート・キャパ。ネタの後半は「誰がために鐘は鳴る」など。いろいろコラージュした結果、なんとなく、二幕物にしては盛り上がりポイントが少なかったような。う〜んと。どこに感情移入をしていいか、よくわからん。スペイン内戦にも詳しくないので、えーーーーと、こちらはどっちの陣営だっけ?とか、時々迷う。あと、ソビエト人があっさり味方になるのも不思議っちゃ不思議。
 音楽はいいんだけどね。主題歌はいいと思うんだけどね。いろんな人に見せ場を作って、舞台に人を乗せて終わりのキムシンなどに比べると、群衆の処理の仕方がうまいなあ、とか、感心するところはあるんだけどね。なんっしょ。なんか、ピント来ない。う〜ん、長いコンビを組んだ二人の、女帝陛下在任約13年の、集大成にしては、物足りない気がする。私には。この二人なら、大人の雰囲気、大人の恋愛ではなく、ラブラブラビュ〜ン!ぐらいで最後を飾って欲しかった。それはそれで嫌な人がいるとは思うけど。
 色合いのせいか、左右に出てくる小さいセットのせいか、人質を取って失敗話があるせいか、独裁政権下っぽいせいか、なんとなく、正塚っぽいんだよな。これで主役のモノローグがあれば、完全に正塚。
 
 たかこさんは、普通に立っている分には大丈夫だけど、ダンスは辛そうだった。見ているこっちも辛いわ。いっそダンスがなくてもいいんじゃないかな。デュエット・ダンスも、身体が本調子ならリフトがあるんだろうなあ、とか、そんな目で見てました。歌は大丈夫。う〜んと、それ以上に何を言えばいいのか。コスプレ場面はさすがに美しかった。
 ハナちゃん。この声を聞けなくなるのか、と、登場した瞬間に、ちょっと泣きそうになりました。大階段での白いドレスでの独唱に、ちょっとウルウル。でも、キャサリンは、それほど魅力的ではない。きっと小池先生のツボと私のツボが違うんだろうなあ。「カスミラ」の彼女もあんまり好きじゃなかったし。

 タニオカ君はカッコ良くなって。歌もうまくなって(当人比)。エコーがガンガンだけどね。でも、私の知っている彼じゃなくなりつつあって、嬉しいんだか、寂しいんだか。堂々の二番手だね。恋愛部分もしっかりしてきた。黒塗り・闘牛士が似合っているよ。
 次期娘1のるいるいは、後半はあんまり出番がなかったなあ。こういう高慢な役は似合うけど、次回はどうなのか。おりょうだから大丈夫か。ヴィセントの恋人・テレサがのまちゃみちゃんの方が目立っていたかも。彼女が次期ぐらいの娘1候補と噂されるのはわかるかもなあ。
 で、あひるだよ。男っ振りが格段にアップ。なんとなくナツメさんに似ているような気がする。体格的にかな?ほっくんとチェンジかあ。月組では越リュウと並べてみたいわ。歌もしっかり男臭いよ。

 阪急交通社の貸切公演だったので、抽選の司会は元・風輝マヤさん、そして手伝いは月丘七央さん。出たくって、自分から志願したんだって!嬉しそうでしたよ!!



■2006/06/15(木)
生でタカハナを見られるのは、今回が最後。
思えば・・・・
「望郷」はクウガの年だったよ。
もうカブトなんだよな〜。
タカコさんのトップ就任は前世紀なんだよな。
それを言うなら、ハナちゃんは、、、、
と、走馬燈のように、いろいろ思う。

話はあんまり好きじゃないなあ。
どこにテンションを持って行けば・・・。
さすがに人の使い方はうまい、とか
そんなところは感心するけど。

根無し草だったジョルジュが、
自分の行き場所を見つけた、
それはわかる。
そこは良いと思う。
根無し草だからこそ、
国境を越えた仲間達と行動できる。

でも、キャシーとの関係がわかりづらいなあ。
最初に出てくる子は、二人の孫なんでしょ。
いつ妊娠したんだ。
宝塚じゃなければ、
あひの役の子としか思えない状況なんだけどね。
小池さんだからそれはないと思うけどさ。

さよならは言わない、NEVER SAY GOODBYE。
これを、ジョルジュがキャシーに言っているのを聞くと、
脚本の段階では、ハナちゃんは残留の予定だったのでは?と
勘ぐっちゃうね。
それぐらい、「一人で旅立つ、あなたは残る」が
強調されていると思う。

音楽は綺麗。
どうやって作ったんだろう。
小池さんが作詞→訳して作曲家へ→小池さんに戻し→小池さん手直し
なのかな。
状況や台詞に、ピッタリとハマっている。
でも。
曲はいいけど、
それだけで、内容的には「大作」とは言えないよなあ。
音楽に金をかけたから、再演して元を取るだろう、って噂もあったけど
この内容がタカハナでなければ意味はないと思うな。

ところどころでウトウト。
隣の友人もウトウト。
でも、友人は、
タニの歌声に反応して、その都度目を覚ましていた。
ちょっと可笑しかった。

タニは成長したなあ。
長く見てきた者の欲目だと思うけど、
歌に感情を乗せるのがうまい子だと思う。
芝居心があるんだよねえ。

ショー部分のハナちゃんの歌、
「愛」は、
「客(から)の愛」と聞こえた。
泣ける。

自分で思っていたほど、二人の最後にショックはない。
ここ数年、待っていた出来事だからね。
新制宙組に二人がいないのを見たとき
いろいろ実感するんだろうなあ。

それにしても、次期娘1よりハナちゃんの方が
可憐ってのは、どうなのよ、と。

一幕最初の方の「ココナッツクラブ」?だっけ?の場面で
金のダルマ衣装の人の中に
ひときわ大柄な人がいた。
ちょっと目を引いた。
ロケットでは上手から4番目とか8番目とかにも
足がとっても太い人がいた。
顔と太腿が同じくらいじゃないかと思うくらいだったけど
もしかしたら研一なのかな??
そうしたら体が絞り切れていなくても仕方がないのかな。



■2006/07/02(日) 「和央ようか ザ・ラストデイ」(九段会館中継)   
九段会館で見てきました。
3階席だったので、画面をちょっと見下ろすようなカンジ。
でも、良く見えました。
もしかしたら、音響も東京宝塚劇場より良いかも。
台詞も歌詞も聴き取りやすかったよーーー。

トップコンビのアップばっかりかと思っていたけど、
要所要所では、他の役のアップが来たり。
タニとかあひるとか一樹さんとか。
劇場で自分ビジョンで見るより、
はるかに話がわかりやすかったです。
ココナッツクラブではお姉さん達に見とれていると
いつのまにか、たかこさんが舞台にいてビックリするんだけど
今日はちゃんと見ましたわ。

曲はやっぱりいいよね。
主題歌も、ハナちゃんの曲も。
どちらも泣けた。
中継会場も大拍手。

内容が内容なので、千秋楽仕様のアドリブは
特になかったと思います。

さよならショーで。
白い衣装でのデュエットダンスに涙。
同期を送り出す組長も涙に、客も涙。

ハナちゃんの言葉はビックリだったなあ。
「和央さんと、和央さんのファンに感謝」
ムラでもそんな挨拶だと聞いていたので覚悟はあったけど
それでも、とってもビックリした。
たかこさんなら、ハナちゃんとしか組んでいないからわかるけど。
あしかけ13年の総括、ではないんだね。
たかこさんと組んだ日々だけが
彼女にとって、宝塚での日々なんだ。
そう思わせるくらい、強い意志を感じたわ。
一路さん、高嶺さん、轟さん、姿月さん、
前夫とはなんの関わりが無かったよう。
「寄り添う娘役」ではなく、
「和央さんに寄り添う娘役」として
花總さんは卒業したんだね。
会場では腹が立ったけど、一日たつと
むしろ、アッパレ!という気もする。
さよならショーでも一曲しか歌わず、
まるでトップ期間3年程度の娘役のような。
なんというか、こういう手があったか、
こういう手で来たか!ってカンジ。

最後の方の言葉で。
たかこさんが感謝している人の内訳、
 劇場に来てくれた人
 中継会場に来てくれた人
 劇場に入りきれなくて外で待ってくれている人
に加えて、
 用事があって自分のことをやりながら
 私のことを気に掛けてくれている人
と言ったのが、とってもとっても可愛かった。

終演後、劇場前へ。
劇場周辺はもう一杯だったので
帝国側に陣取りました。
遠いけど、レッドカーペットは見えなかったけど。
劇場前に入りきれなくて、
劇場横(帝国ホテル前)のガードにまで
体を90度曲げて何度もお辞儀するハナちゃんや
白い電飾付きアーチをくぐるたかこさんは
ばっちり見えました。

たかこさんは、オープンカーに乗って去り・・・・
では終わりませんでした。
その辺を適当に回らず、直接帝国ホテルの駐車場に入ろうとしたので
帝国側にいたファンはみんな車の周りに殺到しました。
無法地帯。
こういうのを見ると、やっぱガードって必要だし
ありがたいな、と思いました。

たかこさんの東京でのお披露目は1000daysだったよね。
それを言うなら、ハナちゃんは東京旧劇場でのお披露目。
二人とも、旧世紀からのトップ。
長かったなあ・・・。
二人がいることが当たり前だったから
今後二人がいないことに耐えられうだろうか
ちょっと不安になっちゃうね。
まあ、そんなこともなく、
時代が流れていくのが宝塚だけどね。