「SLAP STICKS」
■2003/02/09 (日)
 この作品を見に行こうと思ったのはいろいろあるけど、昨年宝塚でほぼ同名(「SLAP STICK」)の作品が上演されたので、同じ時代で登場人物も被ると思われるこの作品がどういう話になるのか興味があった、それが一番の理由でした。「小柳ちゃんの実力ってどんなもの?」って思いからです。
 私はケラさんの作品を見るのは初めてなので、今回の作品が、意識してドタバタ(SLAP STICK)にしたのか、もともと作風がこうなのかが不明なのですが、ノリが石田先生系だなあ、と。笑いがベタっていうか。随所に散りばめられたというか、もしかしたらこれが本題か、と思われる笑いのシーンは腹を抱えて笑いました。一番印象に残ったのは店関係かな。でっかい分度器買ったり、ラーメン屋の姉妹店が家具屋だったり。5時間歩き回るのならラーメン屋で4時間待った方が良いのではないでしょうか???
 ってのは、ともかく。昨年7月9日に観たときはまだ問題アリと思った小柳版だったのに、「セネット」と呼ばれる人がなぜキリヤンじゃないのかなあ、と思ったり、メイベルと言われるたびにるいるいの顔と声が思い浮かんだり、結構自分の中に残っているのに気付きました。そうですね、小柳版は「セネットとその時代」を描こうとして、ケラ版は「取り残されつつある無声コメディ映画(時代)へのオマージュ」を描こうとしたのかな。「つまりは、そんな時代だったのです」って話?どちらかというと、小柳版の方がトーキー時代の雰囲気が感じられたように思います。また、私なんかは小柳版である程度の予習をしているのですが、知らない人からしたら、この舞台はどのように感じられたのでしょうか。みな、ちゃんと予習しているのかな?人物関係とかわかった??舞台転換時の映像は、舞台にいる役者で撮って欲しかったなあ。なんてね。
 オダジョーはどこから見てもオダジョーだった。小柳版のセネットを演って欲しいと思いました。古田さんは存在感(笑)がありました。ともさかちゃんは、あれだけの出番で名前が大きく出るのね。私はメイベル役の人が一番印象に残ったなあ。
 ってなわけで、「小柳ちゃん、悪くなかったじゃない」というのが最終的な感想です。大劇場でのデビューを待っているよ。