劇団四季「南十字星」
■2006/01/07(土)
 友人達が「保科が・・・」と話し合っていたので、仲間に入りたくなって見てきました。本当はたかこさんのコンサートに行く予定だった日時なんです・・・。払い戻したお金を右から左のワタクシ。今年もこんな調子で過ごすのね。
 
 さて。感想はといえば、、、。李香蘭でも思ったけど、先の戦争について、悪いところには目をつぶって自己を正当化、というか、正義化しているなあ、と。悪いのは軍首脳部とか、政治的な首脳部で、他の日本人は悪くなかった、みたいな。アジア解放を目的として侵攻したことも正しいと思っているのかなあ。結果的には、白人によるアジア支配→日本が戦争で奪取し支配権を握る→敗戦で日本が撤退したことにより独立、みたいな流れはあったにせよ、それを負けた加害者が言い切ちゃっていいのかなあ、と思うし、それが日常会話の中でだけなら頷けることもあるけど、ミュージカルで、これが正しい歴史!とか言われちゃうと、う〜ん、、、、ちょっと押しつけがましい気分。でも、役者さんが好きだったり、政治的なポリシーを作品から読み込もうとしなければ、まあ、悲恋モノの一種であるので、泣ける人もいたみたいです。私は、あんまり・・・、でした。まあ、わかっちゃいたけどね。

 保科が姉婿の罪を被って死んだのは、まあ、そういうこともあるかな、と。戦争裁判ではたくさんの人が処刑されたし。ただそれが、肉親に対する愛情なのか、義兄が愛する人の祖国に役立つことをしてくれるからイイヤと思ったのか、自分なりにいろんな責任を取るためなのか、ちょっとわかりづらい。

 余談ながら。捕虜に日本人と同じ食事をさせていたところ、戦後「虐待」と言われたことがあったそうな。米or麦飯+野菜の食事は、肉食人種からすると不十分なんだろうね。うちの母が働いていた昭和30年代、接待のお相伴で米国人達と食事をしたとき「ステーキに加えてエビフライも食べていてビックリした」そうだ。当時はどちらかだけでもご馳走だったから。「こんなに食う(しかも肉の塊を!)奴らに戦争で勝てるわけがない」と思ったそうだよ。
 
 私はどっちかというとオランダ兵ウィンクラーに腹が立ったな。初っ端では自分たちの作戦内容を敵軍にアッサリ教えるし、看守の時も捕虜に便宜をはかるし。話の流れで必要なんだろうけど、愛国心がなさ過ぎ。インドネシアの独立運動家達もさ。武器をよこせってさ。貰って当然みたいなことを言ってさ。他人の物は自分の物かよ。なんかねーーー、この辺りがねえーーーーー、日本人を正当化するために、都合の良いように作っているなあ、って気がするんだよなあ。そこが腹立たしい。日本人が親切に「してあげた」ってねえ。なんかイヤな描写。原田も弟が処刑されるかも、とは思わなかったのかなあ。虐待で裁かれるは考えつかなくても、武器の横流しは歴然とした罪だよねえ。自分勝手すぎるよね。

 あっくんは、まあ、イイ人だったよ。うん。アツがねえ、最初は四季発声法にとっても違和感。カクカクした喋りがとっても不自然でした。2幕で感情が迸るところは発声法を越えた叫びだったので良かったな。ソプラノが綺麗になったかな。顔も身体もほっそりだった。2000年夏以来の再会だもんなあ。
 キリヤン姉は、わかったような、わからなかったような。。。鼻と目元が似ている人がいた、ように思ったけど、合っているかな?