星組(東京宝塚劇場)「ベルサイユのばら2001」
■2001/04/28 (土)
植田の原液
 なんというのだろう。某所でいろいろ読んでいたせいか、まったくもう、予想通りの芝居だった。「ご覧なさい」から始まって、モンゼット夫人・シッシーナ夫人、説明臭い幕前芝居、「少しも早く」「でももストライキもない」、歌も全部知ってるよ〜。どこを見ても植田だ。辛かった。はっきり言って苦痛だった。自分の中で封印してた「花は花なり・ハイペリオン」に匹敵するか?いや2幕物だから、こっちの方が辛い。「夜明けの序曲」は植田の2幕物だが知らない話だったので、まだ見れた。サヨナラでなければ見なくて良い。普通の公演だったら、金を払った自分を呪ったであろう。ああ。
 ノルさんは思ったよりよかった、というのか。男装の麗人というより、男社会の中で仕事を持っているキャリアウーマンというカンジか。人物像に結構説得力があった。それ故に「男役」ってカンジじゃない。ノルさんファンは辛かろうな。アンドレは樹里。これは予想通りよ。歌はうまいんだけど、ノルさんとは貫禄に差がありすぎて、オスカルを包み込めるような男じゃなかった。アンドレっぽくない。多分わたるくんはビジュアル的にはノル・オスカルに対して「男」ってカンジだけど、歌い出すとすべてブチ壊しだったんだろうな。やっぱタータン・アンドレがいいのかね。あと樹里の笑顔。歯を見せて「ニカッ」っていう笑顔しかないので、いつも同じ表情に見えちゃうの。しかも陽性の笑顔。もうちょっと笑顔のバリエーション作らにゃダメね。やっぱセンター向きじゃないかも。(植田芝居が合わないだけ?)ユリちゃんは女王っぽくないわ。ミドリちゃんの幻の方がまだ良かったかも。綺麗なんだけどね。普通の女性よ。とうこ・フェルゼン、ねったん・ジェローデル、そん・ロザリーはなにか言うほどの役ではない。くじょら・ベルナールは、まあ、カッコイイ。特筆すべきはまとぶん・アラン。カッコイイ!やさぐれぶりが素敵よっ!!素顔はあんな女の子なのにね。
 ストーリーもね、長い原作を縮めたから仕方ないんだけど、オスカルが変に理想主義者になってて、でも革命には流されて参加ってカンジで。どうも違うなあって思っちゃうのね。でもショー部分はいい。レオン君のピルエットもね。このためにムラに行く価値アリ。