ブエノスアイレスの風  Byきんちゃん


  いやー!最高!正塚さんLove!りかちゃんLove!
 「メランコリック・ジゴロ」で注目して「ブラック・ジャック」で惚れた正塚さんの久しぶりの作品。しかも成功作品。常々りかちゃんには正塚作品が合うと思っていたが、こうまで合うとは!

 この作品を見て思い出した話。ひとつは佐々木倫子さんの「動物のお医者さん」が誕生した話。忘却シリーズとかペパーミントスパイで話にまったく関係もなく動物がウロウロしているので、それならいっそ獣医学部を舞台にしたらという提案が編集部からあったとか。これもそう。武器フェチ、タンゴフェチの正塚さんがりかちゃんを踊らせる舞台を作りたい、と。元ゲリラで現在タンゴダンサーなら言うことなしだよね、そりゃ。あとね、リカルドについては「エリア88」を思い出したよ。確か11巻あたりにあったと思うのだけど、せっかく無傷で任期満了して除隊できたのに、どっかの空港でスリに刺されて死んじゃう男の話。「せっかく生き残ったのに・・・」の台詞が重なります。これに限らず正塚さんって新谷かおるテイストがあるよね。
 ま、それはさておき。良いねえ、ニコラス。もうタンゴをバリバリ踊っちゃってさ。フェロモンバシバシ。しかもあれだけ女が周りにいるのに誰ともくっつかないのが、たまらなくよろしい。昔の女のコモちゃんとのやり取りも、昔デキてたけど今は別れているという状態がわかるの。うふふ。過去にワケありの孤独な男って良いよね。イサベラもね、あんな若いのに結構すごい生活送ってきたんだなぁってわかる。マルセーロもホント底の浅いチンピラ振りでいいな。正塚さん、こういうところがウマイよね。説明クサイ台詞は殆どないのに。これぞ劇作家というものだよUエダ先生。その代わり舞台が暗いし、みんなボソボソ喋っているので気を付けないと寝てしまう人がいるかも。(と、いうか、いた)
  そういえばリカルドとリリアナってほんとに兄妹?あたしゃ少なくとも血の繋がりは半分くらいに見えるね。特にリカルドの気持ちが。妹に対しては濃すぎる。その割には人質にしたけど。
 主題歌がまた素敵。この作品が成功したのは、この歌を歌ってくれた矢代さんの功績大だね。あの歌がすべてを物語っている。最後暗転から明るくなってりかちゃんが歌うところは感動。今までの暗い過去−軍事政権と闘っていたことや、(生きる目的を見つけようとして)死んでしまったリカルドのこと、全てを踏まえた上で、しかもそれを忘れるわけでもなく、前向きに生きていこうというのが感じられる(2番の歌詞の「おまえ」は彼のとっての(一度は捨てた)未来とか希望とかと解釈しています。イサベラをはじめとする具体的な女性ではないと思ってます)。最近りかちゃんは死ぬ役ばかりだったけど、希望というものが伝わってきました。それとショーも良いよね。作品の雰囲気を損ねることなくタンゴを踊りまくり。下手にスパンコール付けて芝居と関係ない歌を歌われるより(その方が多いと思うけど)りかちゃんとこの作品には似合っているよね。
 終了後の舞台挨拶も楽しかったよ。千秋楽にはシナーマンまで躍ってくれたし。2番手時代からこんな代表作ができてしまっていいのかな、と思うくらい良かったよ。


***ブエノスアイレスの風***   三本指詰太郎

 

あーもう・・。リカちゃん堪能させていただきましたわ。

ファンやっててよかった(涙)

リカちゃんが踊りまくると言うだけでファンには垂涎モノでございますのに、暗い過去を引きずった男!!正塚!タンゴ!ここに極まれりといった感じですな!!嗚呼、知らず感嘆符が増えてしまう。

モテモテの上に最終的に誰ともくっつかないあたりとか、うーん、おいおいだし。あれでラブラブになられても、とも思うけど。

「友達が死んだんだ」とオーディションに行けなかった理由をイサベラに告げて無力な自分を責めるシーンではニコラスの悔しさが凄く伝わってきた。そりゃもう芝居くさいぜ!とツッコミたくなるほどだ!それよか、やっぱこの後慰めてもらったのかしら・・とかそんなところが気になるババアなわし。それ以上書かない正塚さんも正塚さんだけどもさ。

キャスティング凄くよかったなあ。東京公演の配役、ハマる。嘉月さんが凄くいいわ。叶千佳ちゃん、ちっちゃくて可愛い。好き。でも演技もうちょっとかなあ。踊りキレがあっていいのよね。ちょっと太った?うはは。ごめんね^^;

あの兄妹なんであんなにアヤシイかな。

ニコラスとリカルドだけで一本話できそうな気もするし。

今回ヒロインの西条さんも雰囲気よかったし。

リカちゃん好きでホントによかった、と心の底から思ってしまうのであった。

正塚さんの演出は、細かいとこまで気が抜けない。舞台の隅でもしっかり演技が入ってるから。「なかなかマッチに火がつかないぜー」な芝居だったりするわけ。昔の恋人とその旦那がカフェで話してるシーンでも、上手のテーブルの女二人組が一体何の話をしているのかがとても気になったのですよ。場面転換で意味もなく(いや、あるのだが)踊ってしまうのも好きよ。後ろで踊る男女が心の動きを表現していたりするのでしょう。にくいんだよね、やることが。正塚さん。好きですよ、妙に暗い照明とか地味な衣装とか。宝塚ぽくないと言えばまったくぽくない。絵的にはちっとも華やかさがない。しかし演じる本人に華があるのでえらくキマルのだね。うん。正塚さんは戦争モノが好きねえ。オタク的と言っても過言ではないでしょう!?影の部分にスポットを当てるのが上手いのかしら。渋みを引き出してもらえるといいね。

リカちゃんいいよ。ホントいいよ。もうなんて言っていいかわからないよ。

どうしてこんなにわしを狂わせる!!金と時間があれば全公演観たかったくらいだよ!マジで誰かわしを止めてくれー!!(爆)