星組(上海大劇院)「蝶・恋」「サザンクロス・レビュー・イン・チャイナ」
■2002/09/13 (金)
 第一部は植田先生による新作「蝶・恋」。中国の有名な話を平安時代物に翻案したような話。まずは幕開きの群舞。オープニングの前列はねったん、さえちゃん、あきちゃん、ガイチ、とうこちゃんで、途中であきちゃんの中国語による挨拶がありました。それからは芝居。主役はター&檀。雅楽を習う雪若&霧音。霧音は実は女性だが、女性は舞楽は習えないため男性だと偽っている。しかし雪若への恋情に耐えられず真実を打ち明けたところ、実は雪若も霧音を愛していたのだった。思いを確かめ合った二人は、いつの日か二人で「胡蝶」を舞うことを誓う。そこへ東国にいる霧音の父が危篤のため帰国するようにとの使い(さえちゃん)が来る。霧音は戻るが父は亡くなる。そして父の遺言で結婚するように叔父夫婦(組長&城さん)に言われる。雪若との誓いは破れず、かと言って、亡き父の命令に背くこともできないため霧音は自殺する。東国へ霧音を迎えに来た雪若も、それを知り自殺する。死んだ二人は蝶となって舞うのだった。というのがおおまかな粗筋。なにしろ1時間ぐらいの芝居で、合間に踊りも入るから話は全然書き込まれていません。それでも「愛」を連呼する主題歌を繰り返し歌う二人なのでした。踊りも似たような振りが続くので少々退屈でした。衣装は「業平」の使い回しが多いと思います。
 2部はサザクロ。オープニングのお立ち台は星風エレナ?それからモスキート、カリブと続いた後は、タンゴっぽい曲で男役だけの黒タキシード。最初はタータンとさえちゃんで踊りました。ロータスの差し替えだからだと思います。そのあとのラテンメドレーの衣装はクリスマスの場面の衣装でした。ここで、すずみんとレオン君のソロもあったと思います。中詰めとロケットの間に、檀ちゃんが蝶をイメージした銀スパンのマーメイド型のドレスを着て客席から登場。中国語の歌を歌った後、「蝶々」を中国の歌詞で歌いました。
 ラストは檀ちゃんのエトワール(衣装はあきちゃんと同じ)で、パレードの並びはねったん、さえちゃん、だんちゃん、たーたん、あきちゃん、ガイチ、とうこちゃん。紫のダルマを着ていたのは毬丘さんだと思うけど、ハイレグじゃなかった。

中国語の部分は
 芝居ではあきちゃんの最初の挨拶
 ショーでは
  ・モスキートのとうこちゃんの挨拶「安蘭けいでございます」のところ
  ・同じくモスキートの最後。
   これは和訳がでなかったので意味はわかりません。
  ・ラテンメドレーで組長の台詞。「やっぱり酒は(なんたら)」っぽい
   ニュアンスだと思います。これも和訳が出ないので意味は不明。
  ・檀ちゃん登場。「第一部で霧音を演じました、檀れいです」から
   始まる長めの挨拶。それから中国語の歌。メロディも中国ぽかったです。
   「私たち(中国・日本)は友人です」のような歌詞の部分では
   大きな拍手がおきました。
   訳が電光掲示板に出たこともあるでしょうが、モスキートの部分など
   笑いをとっていました。ちゃんと通じていたようです。

 第1部は植田作品ということで期待はしていなかったのですが、まさにそれくらいのモノ。新作はもう止めた方がいいと思う。私の3列前に小林会長と並んで座られていたので、「新作は作るな」と念を送っておきました。と、いうことで、こちらの感想はなし。あ、ガイチ・とうこ・ねったんは、役はないけど、歌のソロはありました。

 第2部。私はツアー版サザクロは見ていないので、人数が少ない版は非常に寂しく感じられました。もっと、こう、舞台一杯に人がいるから楽しいのに。あと、やはり地味かなあ、と。黒タキのあたりも、もう少し・・・と思っちゃう。やっぱり、たーたんって玄人受けの人だよね。でも、こういった場面では、もっとわかりやすい、小手先でいいから格好良さが欲しかった。マミちゃんとか、リカちゃんを見慣れているせいかもしれないけれど。もしくは花組さんのように、ピシッと一糸乱れぬ踊りだと良かったなあ。これは前の方で見た私の感想ですが。もしかしたら後ろで見たらフォーメーションとかキレイに決まって見応えがあったかもね。パタゴニアは良かったなあ。全体的に、初日ということもあるのでしょうが、私が思っていたほどのテンションはなかったかな。成績優秀で真面目な人が無難にこなしたというか。特にあきちゃんが地味だった。私としては、たーたんより久しぶりの宝塚でのガイチが嬉しく、一番カッコイイと思ったのはとうこちゃんでした。

 劇場は、外観・建物内部とも広いのですが、劇場部分は意外と狭いように思いました。奥行きはありそうでしたが、横幅は狭いような。ツアー版のロケットが横並びすると一杯なので、もしかしたら市川ぐらい?オペラハウスという英名があるけど、欧米の全幕物のオペラのセットって入るのかしら?直近ではマリンスキー(キーロフ)が来るようですが、白鳥は入りきるのかな?

 私の周りは日本人が多かったのですが、右隣は現地の方でした。少々退屈そうで、それは今回の宝塚が、というよりは、こういったものには元々関心がないような。団体のオジさんのノリでした。そういう人からすると一番中国語を喋った(歌った)檀ちゃんが一番印象深いようで、エンディングでも指さして隣の人となにか言っていました。でも、モスキートの中国語の部分とか結構笑っていたし、たーたんの挨拶の中国語訳の後も大きい拍手が後ろの方から来たりで、それなりに現地の人にも楽しんで貰えたように思います。

 私は初回のみの観劇でしたが、チケットを受け取りに行ったら「一枚でいいんですか?」とか言われちゃいました。4回見る人もいるそうで。確かに、劇場の私の席周辺は、海外公演というより、全国ツアーの一環のようなノリでしたね。

 さて、この公演でさえちゃんが大活躍して次期トップ確定になるのでは?という声がありましたが、私の見る限り、大活躍というほどではありません。確かに第一部では役がついたけど、う〜ん、だからといってねえ・・・。ガイチが星トップはないと思うけど、さえちゃんかとうこちゃんかと問われると、私ではわかりません。私が感じたのは、その下です。ねったんが組内3番手確定!って気がしました。確実に路線というか。そしてレオン君とすずみんプッシュですね。レオン君は歌がうまいね。まだ男くさくはないけど、華やかさがあるように思います。すずみんは、実は彼女の顔はよくわかっていなかったんですわ。しかし目立つところで使われているので、疎い私でも認識できました。路線としては顔が大きい(失礼)かなあ。しかし、星組はある意味わかりやすい。使われたら路線だもんね。うちなんかはねえ。ツアーで越リュウが4番手に入っても路線とは思わないもんね。いまだにユウヒの扱いがわからないし(笑)