月組(東京宝塚劇場)「エリザベート」
■2005/04/10
 というわけで、東京My初日がいよいよ来ました。今回は月組エリザ初の2階席です。舞台全体の配置もわかるし、オペラグラスを使っていろいろ見分けられるし(1階後方だと人が重なってわかりづらいのだ)、なかなか楽しゅうございました。ハンガリーのみゆちゃん(黄色の帽子に白い羽)も、亡霊越リュウもばっちりわかりました。花組エリザは舞台に乗っている人が少なくてスカスカ感があったのですが、今回は早替えを多用したのでしょうか、心配した「ミルク」も、意外と舞台に人が乗っていました。あ、あと。2階席からだとあさこの胸パット丸わかり、と言われていましたが、着こなしが良くなったのか、見えませんでした。チェッ!
 エリザベートの衣装に若干変更あり。「私だけに」のネグリジェの、首周りと胸回りにレースが付き、肩幅の広さをほんのちょびっとカバーしてました。ラストの白い衣装も、肩から胸元に薄い布飾りが追加され、スカート部分にも飾りが付き、ほんのちょびっとフェミニンになりました。

 月組だけでも4回目、他組を合わせると・・・という私なもんで、1幕はやっぱり物語より、役者を見てしまいます。ああ、さえちゃん声が出ているな、とか、あさこも高音が安定してきたな、とか。なもんで、私にはもう「ストーリー」を見ることはできんのかなあ、なんて思っていたら、やっぱり2幕では引きづり込まれちゃいました。特に「精神病院」のエリザベート。「やめて」の台詞が辛すぎて泣けた。自分に重ねているのが良くわかりました。本当に、何度見ても飽きません。

 私の隣の人たち(3人グループ)のうち一人は、東宝版は見たことがあるけどヅカ版は初めてのようで、幕が1回閉まった後にガイチがセリ上がってきたのを見て、「これで終わりじゃないんだ〜」とウケていました。

 本日は友会優先公演。キリヤンのアドリブも「さすが宝塚友の会の会員。美人揃いだぜ」みたいなカンジ。「友の会に入って何年ですか?」と聞いたら「25年」って返答だったので、「年齢じゃなくって、入会して何年ですか?」と聞き直したり。客イジリがうまくなったわ。でも、まだまだ若造。「若造」っていう役作りだとは思うんだけどね。終演後は組長とさえちゃんからご挨拶あり。さえちゃんは「友会貸切」って言っちゃったわ。それもさえちゃんらしいけど。


■2005/04/14
 本日の観劇予定をすっかり忘れていて、15時半ぐらいに予定表を見直して思い出しました。幸い母が在宅していたので席番を確認してもらって、お忘れ券で入場。入れて良かった!そんなワケで、今回はオペラグラス無しで1階後方上手端寄りからの観劇です。オペラがあるとウッカリみゆちゃんとかを見てしまうのですが、無いと全体を観られて良い・・・、なんてことはなく、上手端の人の動きばっかり観ちゃうんだよな、コレが。裁判の白い仮面の子達の踊りってこうだったんだ〜〜、としみじみ観ちゃったり。あと、アレ!親露派のシュヴァルツェンヴェルクがリキ入れて「この機会に領土拡大!!!」と進言しているときに、親英派のグリュンネに、ヒューブナーとケンペンが「なにをアホなことを言ってるんだか」みたいなことを語りかけているようなところがツボでした。本当に小芝居が多いよな〜。ショーの階段群舞も、好きな人を追うのではなく、できるだけ全体を追うように観ました。ムラの時より揃ってきたかな。ムラの初日は笑っちゃうぐらい揃ってなくって、さすが月組じゃの〜、と思ったものでした。そして全体を観ていると目立つ白塗りちゃん達。黒天使ちゃん達、化粧を直せないもんね〜。う〜ん、トランプマンだ。
 さえちゃんは、10日に観たときより熱くなっていたかな?冷たいトートのもいいけど、とんでもなく熱いトートも観てみたいなあ。あさこはやっぱり後半がイイ。低い声の時代の方が、より孤独感を感じる。で、男役だから雄々しさがあって、それも史実のエリザベートのイメージに合っているんだけど、さらに、その「強そうな人」が、トートの前ではヨロヨロになるのがね、なんとも色っぽいですな。いつも強く見えるからこそ、弱さが際だつというか。ガイチは、もう・・・(涙)。シシィを愛しているからこそ、苦しむ。苦しいけど、愛し続ける。そんな思いが伝わってきます。ルドルフに対する絶望の深さもね、泣けるよね。
 デュエット・ダンスのあさこの髪は、後ろがちょっとクルクルにカール?ピチッとはしてなくて、踊ると後ろ髪も一緒に動いていました。カワイイ。さえちゃんを誘う表情がいいよね。リフトも微笑ましいよね。


■2005/05/05
 本日は11列下手端寄り。上手が見辛かったけど、オペラグラスなしでも役者さんの表情は良く見えました。銀橋端にいるキリヤンとかWトリオのみゆちゃんとかとか。ただスーピーカー近くのせいか、ちょっと音が悪かったわ。
 さえちゃんはますます熱血。あさこは高い音が出るようになってきている。ムラの初日に比べると格段の進歩で涙が出てくるよ。やっぱりあさこは2幕の方がいい。精神病院はいつ見ても泣けるわ〜。「やめて!」の叫びが胸に浸みるよ。あとね〜、ガイチの静かな愛情も泣けるのよ。キリヤンがねえ、良くなってきたよ。ってか、私の好みに近づいてきた。オープニングの狂気は好きよん。後半がだんだん普通の語り部になっちゃうのがな。もうちょっとなんだけどな。ゆーひのフランツもますます男振りが良くなって。この作品ではルドルフは単独では存在できなくって、あくまでも、トート、エリザベートとのバランスの中に存在する。その点、ゆーひは背丈など体格や、「ガラスのような繊細な神経」より「国の将来を憂う皇太子」の面が前に出て、まさに「『夢』と『現実(うつつ)』の狭間」にいるのが良いと思いますわ。良いバランスだと思うな。越リュウがさ「トートと握手したあと手を見つめる」の演技がなくなって、ちょっとショボーン。あれが好きだったのにい。エリちゃんは金髪でした。胸元は普通。赤い大きいネックレスと銀の薔薇のブローチあり。
 今回はねえ、ひらだよねえ、ケンペン。軍服似合うわあ。前にも書いたけど、シュヴァルツェンベルクの進言を鼻で笑っているところが好きなのよ〜。磯野さんよりエラそうに見るのもイイのよね〜。頭から湯気を出しているようなのぞみちゃんをもっと見たいのにい。つい二人一遍に視界に入るようにしちゃうのよう。あ〜ん、どうしましょう。


■2005/05/10
本日も1階後方下手寄りで観劇。
さえちゃんは熱血。時々、猫科動物が牙を剥いて威嚇している姿が連想された。

・出だしのキリヤン、狂気タップリ。若いけど。

・オープニングの法廷、上手側の仮面ちゃん最前列の子の動きがイイ!
 ピキピキして、ポーズの保持も的確。

・シシイとパパは仲が良いよねえ。んで「貴族として変わり者」って
 雰囲気もあると思う。この二人なら「サーカスの芸人の振りをした」って
 逸話も納得だ。

・今日初めて知った!みゆちゃんのパパはエリちゃんだったのね。
 なにを見てきたんだ〜。

・母「后になりますの!」のところで、「わあ〜、おきさきさまぁ〜」って
 夢見る少女のみゆちゃんの表情はカワイイよ!要チェックのこと。

・震える黒天使は好きだわ。ここに限らず、黒天使の群舞は好き。
 10人でも6:4で動いたり、線対称の動きだけではないところが。

・ひら〜。素敵よ〜。

・「私だけに」。アサコの声は良く出ている

・「ツェップス、手のひらを見る」は今日も無し。変更なの?
 このメンツだと、ツェップスが悪の首謀者だね。

・「君の手紙何度も読んだよ」のガイチの背中に泣ける。
 皇帝として「義務を捨てる」ことはできない。全てをなげうつことはできない。
 それでも、自分のできる最大限の譲歩をする。シシイの我が儘に負けるのではなく、
 彼女への愛のために、皇帝自らが選んだ道なのだ。
 その深い愛情に泣く。

・ルキーニが撮影したのは帝劇ルキーニ&婚約者のシルヴィアさん

・ハンガリー戴冠式でのルキーニ、その位置で撮ると、写るのはトート閣下では?

・マダムは赤毛に青い羽根飾り。でも胸元は首飾り&ブローチ。
 寄せて上げてじゃなかったわ。

・シシイが見た写真には何が写っているの〜?
 ここのトートは、シシイを喰らうんじゃないかと思った。迫力があったわ。

・精神病院、ショールの演出自体は好きなんだけど、あんなに綺麗でなくても
 いいのでは?もうちょっとボロい方が説得力があるような。

・その後、泣き顔から、キリッとした表情になるところが好き。

・ルドルフの葬儀。息子を失った悲しみに対し、妻と支え合いたい夫。
 でも妻はそれを拒絶し、自分の殻の中でひとり悲しむ。
 それを見た夫は、拒絶された寂しさより、嘆いている妻を
 可哀想に思う気持ちの方が強い。妻を思っているんだなあ、と。

・前後しますが、ルドルフの棺の前のフランツ。皇帝として身を切るような思いで
 「皇位継承は・・・」とルドルフに告げ、見放したように思えるけれど
 「自殺者の葬儀は出せない」という法王庁に長い電報を打って埋葬許可を取ったり
 最初に葬儀を拒絶した枢機卿が、後日法王に選出されそうになると
 オーストリア皇帝の権限で阻止したりと、そんなエピソードを知っていると
 息子としてはちゃんと愛していたんだよなあ、って思う。その辛さを
 埋めてくれるのはシシイしかいないのに。。。、と上記に続く。

・「死は逃げ場ではない」があっさり。と思ったら、その後の「愛と死の露輪舞」では
 ボロボロ(←感情的に。役者さんの歌ではなく)なトート様なのだった。
 痩せ我慢だったのね。その落差がイイかもよ〜。

・トートとルキーニの関係性がイマイチ見えなかったんだけど
 今回観て、手下でもないし、何かを狂おしく求める者でもなく、
 割と普通の男が、トート様に見いだされてしまったために、
 エリザベートを殺す道具として使われちゃったのかなあ、なんてことを思った。
 最終答弁の後、つまり1898年9月10日に、レマン湖にいたルキーニに
 トート様が「取り憑いた」から、ルキーニはエリザベートを刺したのかな、なんて。
 トートとルキーニの関わりは、最終答弁でナイフを受け渡したとき
 初めてできたのかなあ、と。だから「俺ではない」と弁明しているのか、と、
 勝手に話しを作ってみたり。

・フィナーレの男役群舞、笑っちゃうほど揃っていない。けど、
 ムラの初日より、だいぶ揃ったのよ、コレでもさ。
 腰が入りすぎの越リュウに惚れ惚れさ。

他にもあったような気がするんだけどなあ。「ワタシャなにを観てきたんだ〜」と思った場面がもっとあった気がするんだけど。その辺は12日に確認してきます。


■2005/05/12
本日はVISA貸切公演。私はこの貸切については運が良く、割とチケットが当たる方で、サブセンとはいえ、最前列や2列目が来たこともあります。これ以上良い席は来ないだろうな、と思っていたら、来ましたよ。2階最前列センター。0番の位置です。みなさんの目線が嬉しい〜。舞台も、とても綺麗に見えました。フォーメーションとかを含む役者の舞台配置だけではなく、照明などの舞台効果も美しかったです。小池先生が頭の中で描いた「絵」を観たな〜、って気がしました。ありがとうVISA!

 VISA宣伝。最初の組長挨拶に「♪三井住友VISAカ〜ド」の歌が盛り込まれました。写真を撮るキリヤンの掛け声(鳩が出ますよ)も「お約束ですからね。三井住友VISAカード」。

 いつもは好きなジェンヌさん中心に観るのですが、せっかくの2回最前列センターですので、なるべく頭を動かさず、舞台中央を中心に観るようにしました。トート様登場時も越リュウなどを観ていることが多いのですが、今回はさえちゃんをしっかり観ました。初登場はライティングと相まって「美しい」の一言。そこだけキラキラ〜、としてました。白銀に光り輝いているのよ。他の場面でもさえちゃんメイン。本日はトート様の切ない気持ちに浸りました。最後も「良かったねえ」ってカンジっす。トート・ビジョンだとハッピーエンドの話なんだと今さら思ったり。

 と、言いつつも、戴冠式は越リュウのダンスに釘付けよ。エリちゃんは赤毛の胸元ブローチ。そうそうエリちゃんといえば、親戚のオヤジの時、綱渡りをしようとするシシイを助けようとするんだけど、10日は上着を脱いで足先を振る準備運動をしていました。今日はバスケットで受け止めようとしていた??

 あとは黒天使の動きだよね。どうせ映像ではトート様のアップばっかりだろうし(←まだ観ていないのよ)。この動きを能に焼き付けおかねば。この先いつ再演するかわからないし。再演時には変わっているかもしれないし。

 フィナーレの「闇が広がる」。黒天使組、病人のように顔色が悪い(笑)。今までは感じなかったんだけど。薄い色の衣装だから?花組の時は・・・・・・・・・アサコを観ていたのか。

 ところでさ。「子供を返してぇぇ」の語尾の震え方とか、見得の切り方とか、アサコってウエダ芝居に向いている?なんて不吉なことを思っちゃいました。ヤバヤバ。


■2005/05/15
今日の一幕目は、歌のキッカケを外す人が何人か。声も辛そうな人がいたけど、終了間際の一週間ともなるとヘロヘロになるのは無理もない。二幕目は復調。というより、だいたい、いつもは、第一幕は役者さんを観て、第二幕は話に引きづり込まれていることが多いので、たんに気がつかなかっただけか?

 アサコは体操の場面が良かったなあ。生命力が溢れていながら絶望感一杯で。彼女(のエリザ)には東宝版の「夢とうつつの狭間」だっけ?あれを歌って欲しいなあ。

 夢とうつつに挟まれて
 揺らぎ続ける この思い
 一人になりたい 孤独は怖い
 生きていたい でも突然消えてしまいたい

観客の方にはいろいろな「エリザベート像」があって、しかも「ヅカ作品として」とか「娘役として」とか、いろんな思いがそれに重なっていると思う。サエちゃんトートに対するアサコのエリザベートは、賛否両論はいろいろあると思うけど、私は好きだなあ。「生」「死」の両方を求めるのは欲張りとかではなくて「二律背反」。相反する二つの気持ちに精神が引き裂かれるような、そんな女性が私の思うエリザベート。そこにもってきて、並じゃない体力がありそうってのがね。いいかしら〜、と。

 そうそう。お見合いの場面の鹿なんですが、見た目は彫刻とかそれに類するものじゃないですか。その角を折るなんて、もしかして、フランツってば射撃が下手?でも、嬉しそうに取りに行き、「獲物を捧げる」シシイを観ると、もしかしてアレって「生きている鹿というお約束」なのでしょうか?

 で、エリザとは直接関係ないんですけど。トシを取ると一年も三年も五年も十年も同じで、「つい最近」が、「数年前」だったりするじゃないですか。でも宝塚って一年、どころか、一作一作が勝負なんだよなあ、と階段降りを観ながらしみじみ思いました。ものすごくダンスがうまい子がBMBの「赤い風」に入っていて、それが研2だと聞いたときはビックリしましたが、その子、みっぽーちゃんはもう研6だし、末子ちゃんや越リュウだって降りてくるのはかなり後半になっちゃっているし。限られたチャンスを限られた時間で掴むために日々努力している彼女たちには、本当に頭が下がる思いです。プロなんだから当然、と言う人もいるでしょうが、でも、ここまで序列が出るのは厳しいよねえ・・・。


追記
書き忘れ。前々回ぐらいに気がついたのですが、「皇帝と皇后の顔のマグカップ」の絵柄は、ガイチとアサコのパンフの写真です。セピア色のヤツ。売ってくれれば、100年後じゃなくても「コレクターズ・アイテム」になるのにねえ。
みゆちゃんは小柄なせいか、大振りで踊ります。ドレスの時は、もう少々優雅だとよいかも。でも、ドレスはまだ2回目だしね。これからよね。


■2005/05/19
いよいよMy楽日です。さえちゃんの熱血振りはますますアップ。トート様の激情が場内に充満してました。しみじみ観ると、さすがに星組新公経験者だけあって、手の動きが美しいよね。それにガタイがいいし。むかしはこのガタイにお肉も乗っていたので、宙組オスカルの時なんて「ぱっつんぱっつん」ってカンジでしたが、最近はさすがに頬もこけ、身体の肉も削げ落ちたので、とても男役らしい体型になったと思います。正直あと2作ぐらい観たい気もしますね。
 アサコも、力強く雄々しい肉体にセンシティブな精神、ってのがいいのです。(歌)声も安定してきて、娘役もとりあえずは見納めかと思うと少々寂しい気もします。アーネストはともかく、正式なお披露目はジャジーーーだしさ。
 今回思ったのはゆーひのルドルフ。たーたん・ぶんちゃんなどは、繊細な精神のために「現実」に追いつめられて、トートのもとに到着してしまった、という、受け身的なイメージが強いんだけど、ゆーひは、自ら突っ走って、トートのいる場所がゴール地点だったような、そんな印象を受けました。エリザベートの場合は、生と死、両方に向かって走ろうとして、そのため不安定だったけど、ゆーひのルドルフも同じで、だからこそ「生きるあて」がなくなったときに、死へ向かって激走したような、そんな印象。この母にしてこの息子あり、みたいな。こういうルドルフもありなんだな〜、と思いました。
 とにかくこの作品。ビデオでは繰り替えしみているのですが、ナマをこんなに観たのは初めてでして。星は2回、宙は1回、花は4回、月は10回(花・月はムラ東京の計)。やはりナマでしかわからないところがありますよね。映像だと、どうしても出演者全体の「アンサンブル」というか、「バランス」は見えませんよね。このトートがいたから、このエリザベートがいて、このエリザベートがいたから・・・という関係性?というの?そのあたりが、この月組で初めて見えました。もちろん星の時のように、たった1回で「俺を狂わせる」って経験も得難いんですけどね。本当に楽しませていただきました。ありがとう、月組!

 本日のゲストはマミちゃんなど多数。ルキーニは「真琴さん、相変わらず美男、おっと美女ですね」とか言ってたような・・・。


■2005/05/22 お見送り
 17時過ぎに劇場前到着。一般列は1〜2列。雨でなければ一般列2列目でも見ることはできるけど、傘があるとね。前の人の傘の柄の部分だけでも視界が遮られるし。と悩みまくる。17時半頃終演。劇場から人が出てくる。お見送りの列も増える。ガードが確定したところで、再度見やすい場所を探す。結局帝国ホテル前にした。ちょっと遠目になるけど全身バッチリ見えるし。最前列なので、待つのも楽だし。
 19時ぐらいに拍手がおこる。いよいよ退団者の出だ!と思った瞬間後ろにいたおばさんが、当たり前のように私と隣の人の間のスペースに割り込んでこようとした。すかさず間を詰める。もう片方の隣の人も間を詰める。油断ならんのう。そして麻吹由衣加ちゃん登場。横断歩道前で手を振り、道を渡り、そのまま帝国ホテルへ消える。
 それからしばらくしてちずさん登場。横断歩道前の挨拶も全て見える。この場所で正解!と思っていたら、道を渡ったちずさんは、帝国ホテルの新館入り口(?ユリーカのあるところ)に向かってそのまま歩いて来たのです。ええ、私の真後ろを歩かれたんですわ。この辺は2列しかなかったし、その2列目にいたおばちゃん達は始終ウロウロ移動していたので、笑顔で白い花を持ったちずさんはバッチリ!!!見えました。
 それからほどなくさえちゃん登場。この時、雨はやんだ!良かったわ〜。横断歩道前で何回も何回もご挨拶。劇場側のファンに両手を使って投げキッス!とか。こちら側にも何回か手を振ってくれました。本当に明るいご挨拶でした。最後は白い車に乗って去りました。


 さえちゃんを初めて意識したのは「ヘミングウェー・レビュー」。オトコと対の猫で、二人揃って歌がアレだな〜、という印象。次の記憶は「WSS」。チャキリスやリカちゃんの演じたベルナルドをさえちゃんが〜、って驚き。最初に見たときは「これがベルナルドねえ・・・」とちょっと呆れる。が、千秋楽、ドッグの店を出るとき、足でドア蹴飛ばしたときの背中が素晴らしく良かった。チャキリスやリカちゃんは大人っぽすぎて、本来の話では、これが正しいベルナルドなんだ、と思いました。と、せっかく演技面で見直したのに、「我が愛・・・」の役代わり騒動。ぶんちゃんを押しのけて抜擢するほどの人か!と嫌い度1000%。その状態がしばらく続く。新専科入り後に初めて見たのは「望郷・・・」の蔵人。それまでは「××さんに比べると●●は上手くないのに・・・」としか見られず、嫌いに拍車がかかっていたのが、比較対照のない新天地では、「いろんな欠点も個性になるものなのだ」と新発見。「嫌いと言うほどではない」まで昇格。プクプクでほっぺたまん丸のモップ犬と呼ばれたオスカルも「個性がないよりはずっといいわ」と割り切れるようになった。「星組トップ就任説」のあたりで再度「嫌い」に傾く。がワタル君が先にトップ就任したので、まあ、いいかと思う。「ドン・ファン」で専科として月組に客演したときは、意外とリカちゃんとの並びが良いな、と思いました。シューマッハじゃ若いから。くらりんとの並びの良さも認識。続いての「薔薇の封印」もビジュアルばっちり。いろいろ慣れてきたので次期月1もすんなり納得。「飛鳥」では真ん中に立つ姿が違和感無し。最後のトート様は当たり役と言っても良いでしょう。いろいろ思ってきたさえちゃんでしたが、最後は「良い役者さんだな」という気持ちでお見送りできました。いままでありがとう、さえちゃん。。


月組エリザベートの衣装は → コチラ