月組(梅田芸術劇場)「Ernest in Love」
■2005/07/10 (日)
 ロンドンに住むアーネストは、友人アルジャノンの従姉妹グウェンドレンを愛し、結婚しようと思っていた。しかし彼は捨て子で両親が誰ともわからないため、グウェンドレンの母・ブラックネル夫人に結婚を反対される。しかも彼には秘密があった。彼の本当の名はジャックで田舎に住んでいる。養父のカデューは死ぬときに孫娘セシリイの後見をジャックに頼んだ。後見人は道徳的な品格が必要とされるため、息抜きにロンドンへ来て遊び、その時の名がアーネストなのだ。セシリーには、「不肖の弟アーネストがロンドンに住んでおり、時おり弟の様子を見に行く」と説明している。この話に興味を持ったアルジャノンは、田舎に赴き、自分がアーネストだと偽りセシリーに近づく・・・。
 原作はオスカー・ワイルドで、オフオフのブロードウェイあたりでミュージカル化された作品。ご都合主義!と言われるかもしれないけれど、話運びはしっかりしており、曲も良く、アンサンブルの使い方もうまい。少々古めかしいけれど、上質な作品です。キムシン、よくぞ発掘した!オーケストラは舞台上手にセット。それをゲージで囲って鳥がさえずっているようなイメージ。セットも吊り物多数で大工夫。
 あさこは、最近まで皇后陛下だったのが信じられない男っぷり。あ〜、やっぱコッチだよねえ。歌も前より良くなったと思います。シリアスな演技も良いし、コメディ部分は笑わしてくれるけど決してヘンなテンションでも力業でもありません。そこがうまいかなあ、と。自分は何者なのか?と自分に問う場面の歌は聴かせてくれました。キリヤンはちょっとすっきりした体型。思っていた以上にコメディがうまく、あさことの息もピッタリ。かなみんは、夢見る女性の部分と怖いところのメリハリが良いです。歌がいいよねえ〜〜。あいあいはちょっとおませでやんちゃな女の子振りが可愛かったです。タキさんの助演はありがたい。難しい曲をハッキリ歌ってくれて、芝居全体をレベルアップ。うーさんのレインはイイ味出してますな〜。越リュウの役はそれほど出番は無く。末子さんは、これだけかい!と思ったらキーパーソンでしたな。みゆちゃんはいろんな場面で出ていて台詞もありましたわ。
 芝居の後は、ショーがちょびっと。群舞の後は、あさこ&かなみん、キリヤン&あいあいのWデュエットダンス。かなみんは「アジアンサンライズ」でみどりが着ていた水色のドレス。両組ともしっとりして良い雰囲気でした。
 
 あさかなは「マノン」以来だけど、イイ並びだと思います。2番手キリヤンを加えてもバランスがよいと思います。ジャジーがハズれくさいけど、これを観ておけば耐えられそうです。


 これを樹里&蘭とむで日生か。蘭とむのアルジャノンが楽しみ。樹里ちゃんも良い作品・良い役で卒業できそうで、ちょっと安心。サヨナラが駄作だと辛いもんね〜。劇中に出てくるアフタヌーン・ティーセット、阪急インターナショナルで食べられるって聞いたので行ってみたら、お店が貸切で入れなかった。東京でも、どこかのホテルでやってくれないかなあ・・・。