宙組(東京宝塚劇場)「ホテル ステラマリス」「レヴュー伝説」
■2005/03/05(土)
 芝居は、傾き掛けたホテルの再建話と聞いていたので「細腕繁盛記」かと思ったら、高嶋弟の「ホテル」でした。「姉さん、事件です」のナレーションと共に、従業員一同が持ち場を離れるアレですね。をいをいをい〜、と軽くツッコミ。そして、それ以上に話が唐突っていうか。いろんな小話が入っていて、その繋げ方が全然ウマくない。この前見た「セルラー」とは正反対ね。その上、正塚さんの笑えないギャグとかがツラかったです。内容的にはムムムムム、です。自分探しが無いし、あまりうるさく叫ぶ場面がなかっただけでも良かったというかね。
 タカコさんは、まあ、こんなもんか、と。ハナちゃんが予想外に良かった。「私の大事な物が全部無くなっちゃう」と体を丸めて泣いているところが可哀想で可愛かった。ミズは、あれ、宙組だっけ?とか思っちゃった。いろいろ行ってたもんでなあ。好きな女を別な男に譲る男を好演。タニはブリスみたいなキザ野郎。かなり大人っぽくなっていてビックリさ。結局、タカ−ハナ−ミズ−タニのラインって、ムラの「白昼の稲妻」だけだったのね。確かに、ミズ・タニを並べちゃイカンね。歌の面からさ。あひる以下は、まだまだ若い。未沙さんが良かったね。かなみんは意外にも正塚芝居が似合っていた。姫役だとぶりっこになっちゃうけど、こういう風に「地に足が着いた」役はイイと思う。月組に早くカモーーーーーン、よね。
 ショーは、まずまず。新鮮さはないけど、華やかだし。黒タキも白コートもあったので、悪くはない。ジジが白いドレス来て「照れるな〜」と言うところがメチャクチャ可愛かったよ。結局彼女に全部持って行かれるんだよな〜。ポッポさんの踊りがもう見られなくなるのが寂しいよ。


■2005/04/03 (日)
 あと1回で終わり、ということもあり、以前より芝居は見やすくなっていました。自分の好きな場所が、変わってほしくない、でも変わらないと無くなってしまう、そんな主題が以前より見えました。「同じ場所にどどまるためには全力疾走」という言葉が「鏡の国のアリス」にありますが、その先に行くためには、さらに走らなければ到達できないんですよね。難しいなあ。「医者でもないくせに」等、いくつかの伏線を発見。2回以上見ると仮定しないでちゃぶだいハリー。でも、話の収拾が全然つかなくて前振りだけで終わった「バルセロナ」、自分探しだけじゃ保たないので「ローマの休日」を入れちゃった「ロマンス・ド・パリ」と来て、ようやくハリーもリハビリ完了かな。一応1時間40分の大劇場モノになっていたと思う。相変わらず地味だけど。博士大発見!の場面でスッシーが思いっきり転びました。手にしていた瓶を吹っ飛ばすほど。コケてもおかしくない場面だったので最初はネタか?と思いましたが、どうもマジコケだったみたいです。ハナちゃんとかも「そんなお体で」とかフォローを入れていましたが、会場中が大笑いでした。
 ショーも、まあ、華やかな方だし。スパニッシュ、黒タキ、白ロングコートとあるので、気楽に見る分にはいいかなあ、と。女性陣の見せ場がもうちょっとあるといいんだけどね。昭和2年発売の「モン・パリ」が「現役の曲」なのは好き。
 タカコさんは、相変わらず。ハナちゃんは、いろいろ思うけど、今回は「さすが」と感じるところが多かった。彼女がいなくなったら宙組はどうなるんだろう。ミズがね、良いんだよね〜。彼女はあんまり好きじゃなかったのに。芝居がすごくいいんだよ。すごく目を引く。ファンでない人の心を狂わせるのって、トップ間近の人に出てくる魅力なんだよね。ぶんぶんもワタル君もそうだった。きっとトップが近いのでしょうね。タニは、だんだん下手ではなくなってきて、ちょっとつまらない。音をハズすなら、ちょっとハズれている、ではなく、とんでもなくハズれている、っていう方が面白いのになあ。でも、カッコ良くなったよね。成長したなあ。
 ぽっぽさんとは今日でお別れ。「スピク」のシーリアと「ルー」のコジマと「白昼」のギャランティーヌが好きでした。踊りも大好きでした。スカートをガッとたくしあげるカッコイイ踊り。もう見られなくなるのが寂しいです。