「三人吉三東青春(さんにんきちざえどのあかつき)」

■2003/11/15 (土)

  ノリとしては、新感線と石田さんの中間ぐらいかな。時代劇に洋楽っぽい音楽を入れるけど、新感線ほどぶっ飛んでいないというか。背景とか、小道具とかの使い方はうまかった。人の捌き方もうまかった。役者さんも殆どが滑舌良く演技もうまい。それなのに、う〜ん、もうちょっと、と思うのは、なぜなのでしょう。1幕は良かったと思うのよ。現在の境遇に不満を持っている3人が自分の特技を活かして世を騒がせ御政道を問う。で、騒ぎを起こしているうちは楽しいのよ。でも、最終的には捕縛されるんでしょ?その予想を裏切るのなら、果たしてどういうオチかと思っていたら、その辺がなし崩しなのよ。なんとな〜く、みな新しい人生が始まっちゃって。特にお坊とお嬢がくっつくクダリ。いつ、そういう気持ちになったのだ?と、それ以上に、抱く抱かないとか、そのヘンの台詞って、本当に必要だったのか?もと男役トップにこんな台詞言わせちゃうぜ〜〜〜ってカンジがしなくもなく、その点が石田的。この辺りをスッパリ切って2時間一幕にまとめてくれる方が良かったかも。最後はやっぱ見得を切って殺されて欲しかったな、と思うわなくもなく。
 役者陣は、やっぱ近藤正臣でしょ!!ウマイよ、この人。やっぱりなんだけど。ライトが当たってなくって表情がみえないところでも、ちゃんと感情が伝わってくる。この人なくて、この舞台は成立しないでしょう。ぶんちゃんは、男装しているところはまったくの男役。うふ。途中のソプラノも綺麗な女声でちゃんと出ていました。かわいかったよ。高橋さんは、やや時代劇台詞になれていないかな?元気のいい江戸っ子ではあったけど。毬谷さんはグッド、グッド!この人は、TVではフワーッとした喋りであまり好きじゃないんだけど、舞台だとちゃんと力を入れて台詞言えるんですね。この方がいいよ。歌もうまい。当たり前だけど。萩原流行もいいのう。ナマ太股を凝視しちゃったよ。テヘ。お坊父の青山さんが抜群にウマイ。あまり出番のない北村和夫さん、でもチラッと見えるだけで大存在感。深沢敦さんは、スゴイ芸達者でした。
 しかし、アレね。こう見ると、歌も芝居も踊りも入れて、役者に見せ場を与えて1時間40分で終わらせるって、なかなかスゴイことなのね。