花組(東京宝塚劇場)「琥珀色の雨にぬれて」「Coktail!」
■2002/05/30 (木)
 む〜む〜む〜。感想を書くのはとても難しい。代役公演だから。それでも頑張って書いてみよう。
 まず芝居。名作と言われてましたが正直つまらなかった。それは話自体や踊り(振付)が古くさいというのもあるけれど、オサに魅力を感じないから。魅力、というと語弊があるかな。オサに男を感じないというのか。オサの恋愛話に興味を持てないというのか。「勝手にやってくれ」とか思っちゃうんですわ。クロードをどう表現したかったか伝わってこない。堅物の男が娼婦に近いマヌカンと熱烈な恋をして一度は身を持ち崩すけど、決められた婚約者と結婚し落ち着いた家庭を築く。が、マヌカンと再会したとき、昔の情熱が甦り・・・、というのが筋書きだと思うんだけど、その起伏が全然感じられないのだ。出だしも中途も終盤も全て同じなので、半端に流されているようにしか見えない。「欲望に流される男」ではないのよ。いつシャロンを愛し始めたか、そもそも愛していたかも伝わってこない。それを受けてかシャロン(大鳥)もクロードが好きなんだかなんだかわからない。強い意志を持って気ままに生きているのではなく、こちらもただ漂っているだけ。逆に平凡な家庭の象徴となるべきフランソワーズ(遠野)の方がエキセントリックだった。その結果一番仲がいいのが本来恋敵となるべきクロードとルイ(瀬奈)なんだよね。一人の女を、大人の余裕が充分にあるから、公平に競いあえる男達になるべきところが、二人でラブラブでさ。シャロンとルイの駆け落ちも、クロードに真っ当な道に戻って欲しいのでルイがシャロンを引き取ったのかなあ、などと勘ぐりたくなる。それくらいの妄想を働かせなければ辛い芝居でした。
 そのためカラフルでメリハリがあるショーは、すごく楽しめました。みどりちゃんが芯になる場面も多く、私は好きかも。階段の黒燕尾服はさすがに花組!ってカンジ。ピシッと揃っている。ここのオサは気合いが入って格好良かった!!その前後はいかにもサヨナラ仕様で、チャーリーで見たかったです(涙)。なかなか良いショーを作って貰えたと思うよ。私が見る頃に復帰しているといいなあ。

 で、あさこ。どんどんハマっていく自分が怖いよ。歌はあんまりうまくないんだけどね。でも、ほら、黒とか赤とか紫とか似合うじゃん。濃くて俺様で受。私の好みだよ〜ん。ゆみこ、蘭とむも濃いので、オサが薄くてもまあいいか、と思わなくもないね。

■2002/06/20 (木)
 オサは薄いなあ。男らしさを感じず、女の子が頑張って男を演じているのがわかるというのか。歌がうまい、というのはあくまでも技術レベルであって、表現力とは違うのね、ってカンジです。その薄さが人気の原因だとは思うけど。たかこさんなんかは口の中で声がこもっちゃってなに言ってるかわからないし声も幼い部分があるので喋るとヤバイが、
それでも軍服姿は
カッコイイもんな〜〜!

軍服姿で舞台をウロウロしてくれれば、それだけでも金払うよ!って思うけどさ、おさにはそういった魅力がまだかんじられないんだよね。ま、私をファンにさせる必要はないんだけど、ファンでもない人間に「ココが売りなのね」と思わせる部分を作って欲しいな。その逆が
俺様なのだ〜〜〜っ!!
ああ、俺様ってばさ、歌はまだまだヤバイけど(でもタニよりはいいぞ)、あの濃くてエロエロな雰囲気がねえ、堪らんのよ!とくに2番手の役どころがいいよね。主役カップルが中央でライトを浴びているとき、後ろからスーッとやってくるってのがね。いいのよ〜!!俺様は珍しく私好みの脇役ワル系の持ち味なのに路線なのよね〜。トップになったら通っちゃうかも。マノン見ておいて良かったよ。
 ってなワケで。芝居がやっぱり面白味がない。前回よりはみんな声は出てるんだけどさ、いかんせんオサが恋愛話の中心にいるのが解せないっていうのか。興味持てないというか。フランソワーズ相変わらずわからん。最後の最後まで二人の邪魔をするウザい女だ。あんまりクロードを愛しているようには思えないのに、トコトンまで邪魔をするのだよね。あすかちゃんも台詞が一本調子だ。ウチの嫁の方が芝居はうまいと思ったよ。その結果、みどりちゃんのシャロンがカッコイイのなんのって。前見たときはただフワフワ漂っているだけの女だったけど、今日は自立した自分の意見を持った女性だった。ホンに、ハナちゃん2代目ね。みどりちゃんが主役だったわ。あとさ、どうでもいいんだけど。青列車でシャロンにダンスを断られたクロード、ルイと踊らないかなあ、とか思っちゃった。シャロンよりもルイに金を使っているような気がするよ、クロード。



 チャーリーは、チャーリーズ・バーに入ったらピンクのスーツで中央に立っていたよ。歌は相変わらずで、「ああ、やっぱりチャーリーなのね(苦笑)」などと思っちゃった。チャーリはあまり動かなかった。それでも体いっぱい使って表現してた。あのチャーリーがここまでこちらに訴えてくるとは思わなかった。昔NYCBのダーシー・キスラーがアキレス腱を切ってベッドに寝たきりの時に上半身の動きの練習をして、表現力を増して舞台に帰ってきたというけど、チャーリーもそんなカンジだ。この怪我によって伸びた部分があると思う。あと2作、せめて1作あったらな。この表現力を持ったトップ男役の芝居を見たかったよ。歌、例えば「乾杯」なんかは、技術面だけで言えば「これがプロなんかい?」と思っちゃうんだけどさ、それでも、もうちょっと真ん中にいるチャーリーを見たかった。残念だわ。それでも笑顔で頑張ったチャーリーに拍手を送りたい。美談にするな、と言う人もいるけどさ、実際本人を舞台で見たらなんにも言えないと思うよ。会場の隅々までチャーリーのオーラは行き渡っていたよ。ちゃんとプロの芸だったよ。最後にいいものを見せてくれて、ありがとうチャーリー。黒燕尾服、格好良かったよ。