「黒革の手帖」(明治座)
■2006/10/22(日) 
TVで大好評だった「黒革の手帖」が舞台化されました。
一幕は楢林先生を引っかけるところ
二幕は橋田さんを引っかけるところ
三幕は逆転負け、って構成でした。
明治座だから仕方がないけれど、
3幕構成は長い。辛いよ。


主演はTVと同じく米倉涼子さん。
舞台は初めてということでしたが
実に舞台映えする人でした!
とにかくスタイルがいい!
特に背筋!背中自体も綺麗だけれど、
ピンと伸びた背筋のラインが実に美しい!
脚も綺麗。
全部で11着だっけ?たくさん衣装替えをしますが
どれも似合っている。だけじゃなく着こなしている。
服に体が負けていません。
声も良く通っていました。
こめかみマイクだけれど、きれいにマイクに乗る声でした。
芝居も当たり役だからだとは思うけど、
「元子」という人物がちゃんとできている。
舞台度胸もありそうなので、今後も舞台に出て欲しいな〜〜。
ストプレなら、わりとイケると思うんだわ。

リカちゃんは、4回も衣装替えがあってね。
最後はちゃっかり妻を亡くした同級生とくっついちゃったり。
原作から変更して、「燭台」のママではあるけれど
元子とは高校の先輩・後輩という設定になっていました。
貫禄的には、リカちゃんの方が後輩みたいだったよん。
水商売という世界では先輩ってだけで。
声の通りは・・・。私は受信機をもっているから・・・・・・。
まあ、あんまり明治座向きじゃないね。

元子が心の憩いの場とするおでん屋の女将は波乃久里子さん。
さすがに演技が的確。
TV芝居の米倉さんと、ヅカ芝居のリカちゃんと、新劇芝居の波乃さん。
ビバ!コラボレーション!!!

左とん平さんは、他の舞台ほどやりすぎることもなく
ちょうどイイ按配かも。
北村総一朗さんは、役を作っていないだろう〜ってぐらい自然なんだけど
最後の場面はホロリと来たよ。
金田龍之介さんは、もう、お姿をみられるだけでありがたや。

岡本君がねえ。イマイチかなあ。
あんまり舞台映えがしない。
付けている位置が悪いんじゃないかと思うんだけど
マイクに声が入りづらいみたい。
元子が心を許す男、しかしその正体は、、、、
みたいなどんでん返しがあまり生きていない。
前半では、存在感が完全に米倉さんに負けているし
後半はチンピラ系で、黒幕の凄味は無い。
カスみたいな男に引っ掛かって・・・っていうのならわかるんだけどね。
そうじゃないよね。

舞台は盆を多様。
舞台転換中にタンゴを踊る一組のカップル。
(男性はトートダンサーの佐々木さん。女性は元花組のタマオさん)
正塚みたいだのう、と思うけど
こうも頻繁に出てくると、少々ウザイ。
ダンサーが悪いのではなく、演出的にね。クドいなあ、と。
舞台が転換し終わっても踊っているんだよね。
早く芝居をはじめてくれよ!と思っちゃう。
米倉さんのお着替えタイムだから仕方がないけれど。

正塚みたい、といえば。
途中、舞台下手で元子?だったかな??
密談中、ってところでウェイターが店の片づけをしていて。
ここでグラスを倒したら、まさに正塚なのに!!
と、ちょっと期待しちゃいましたよ。

そうそう、TV版から引き続きといえば萩野さん。
黒服から出世して、店長になっていましたよ。
萩野さんとリカちゃんが共演するとはねえ。
わからんもんだ。
ヤクザになすすべもなく殴られる店長さんでした。
シャンゼリオンなのに!王蛇なのに!!


どーでもいいけど。
舞台的には仕方がないんだけれど
「黒革の手帖」は、それほど重要アイテムではありませんでした。


後ろの席に座っていたおばちゃんたち。
ビニール袋の音を響かせるし、
思ったことはなんでも口にしちゃう。
綺麗ねえ、とか、素敵ねえ、とかとか。
そういうおばちゃんの解説付きで明治座だと思うから
怒る気はしないけどね。
それよりも、必ず15分ぐらい遅れて入ってくる
前の席の三人組の方が迷惑だったなあ。