花組(東京宝塚劇場)「ミケランジェロ」「VIVA!」
■2001/10/31 (水)
 芝居は確かに説明臭い。それでもある程度の知識がないとキツイか?「法王庁にいる赤い服の泥棒達」が赤い衣を着ている=枢機卿だというのって普通わかるものなの?っていうか、枢機卿って一般知識?ミケと法王以外の人物がよくわからない。コンテッシーナは勝手に死んだだけじゃない?とか、ジュリアーニもクラリーチェも芝居に必要あるのかね?もちろんメンドリーニもさ。しかし、そんなわだかりを吹き飛ばすのがタモだ。いいじゃん、タモ!ジョナサン・ピーチャムやバドのようなテンション高くゴーイングマイウェイ、それでいてエリオットのように影(過去)もあり。いやいや、傲慢な男っていいよな〜。最後はみんなに見送られて銀橋渡るし。もう、いいや!って力業を掛けられた気分ですわ。声も出ているし。ああ、リカちゃん、やばいよな。
 コンテッシーナはアレだけど、みどりちゃんは存在感あるわ。好き好き。組替えのあすかちゃん、歌声きれいね。ちょい地味。まーちゃん、細い。芝居は初めて見たようなものだが悪くないじゃん。声がいいよね。樹里も存在感あるよね。声通るし。で、やっぱ貴族社会より下町が似合うよ。オサ・アサはそこそこ出てたね。で、チャーリー。ううむ。やはり・・・・・・・。バッカスでタータンが2番手で似たような役についてただけあって、比べちゃうわ。チャーリーは陽気でもなければ口が回るわけでもなければ非天才故の苦悩も感じられない。ちょいヤバ。未沙さんの法王は大ヒットよ。
 ショーは、ははは、三木先生らしいわ。相変わらず場面間の繋がりがないよね。それに「VIVA」ってなにかと思っていたけど、つまりはマンボ系なんだろうか?群舞はいいわ。踊っている。さすが花組よ。でも黒タキのレベルが落ちた?それとも黒タキが合わない雰囲気の踊り?男役の女装はアヤしくていいけど。人についてはショーも芝居と同じような感想です。チャーリーって踊りの技術はあるけど、それだけって気もする。匠ひびきが一生懸命踊っています、ってだけでさ。隣で樹里ちゃんが余裕を持って、なおかつ場面を表現して踊っていると見劣りしなくもない。むむ。あと衣装の使い回しが多いね。アサコちゃんの大魔王が真ん中で踊っていても、群舞の女性が「食中花に食べられるウルトラマン」だわ〜、と思って、そっちばっかり見ちゃったよ。

■2001/11/06 (火)
 いろいろ思うところあり、11日の大楽チケットをタモちゃんファンに譲りましたので(もちろん定価よ! ← 逆。卓治の「Stories」押しつけた。)生タモはこれが最後。こんなふうに書くのは今年3回目だね。サヨナラが続いたなあ。
 芝居は悪くないと思うよ。特に「大海賊」を観たあとだと舞台転換の仕方とか手慣れているように思う。相変わらずコンテッシーナは謎な人だが。タモちゃんはいいわね。未沙さんとあんなにアドリブで対抗できるようになって!成長したわね。嬉しいわ。昔に比べるとホント逞しくなって!(注:誉めている)あともうちょっとだけど、ガンバレ、タモ。 ショーは前回つまらないと書いたが、つまらない、というほどではないかも。ノリはいいし。「セラヴィ!」とか、結構歌えるかも。でもオープニングの「V」はやはりコンバトラーVを連想するよね。そしてその時の階段は、記憶を封じ込めていた「ハイペリオン」を思い出した。これに限らず衣装でもいろいろ思い出させてくれるよね。
 とにかく、タモちゃん。いままでありがとう。今年退団する中では、一番長く観ていたので愛着がやっぱりある。そして成長過程も見守ってきた。最初ヘボヘボで、2番手成りたての頃はあまりにもデキなくてイライラして(特にヤン&ミキ時代に比べちゃうしね)、でもVISAがついているから絶対トップになるのに!それがエリオットで「おおっ!これならトップOKよ!」というものを見せてくれて、鬼河原、じゃなくてなんだっけ?「ザッツ・レビュー」東京公演で長台詞を淀みなくこなしショー部分の幕開けは華やかで、ピーチャムのキレぶりは楽しくて、そしてトップになって、あの赤い席でも笑顔でやりとげて、そしてルー。うん。頑張ったよ。トップになってからの明るさ暖かさ前向きなところ。好きだったよ。女優になっても頑張ってね。
 で、若手。オサちゃんは間違いなくトップ候補であすかちゃんは嫁だな。かつてのまひるの位置だ。でも地味だ。「かもめ」のあたりはいるんじゃないかと思うが見つけられない。それを武器の歌(ソプラノ)で乗り切ろうとしているようで、なんとなく純名を連想させる。歌に感情が籠もっていないし。オサちゃんもアッサリ系だから嫁が濃くなくては!そして、あさこ。濃い。好きになりそう。

■2001/11/10 (土)
 6日が生タモ最後の予定でしたが、チケットを譲って下さる方がいらっしゃたので、もう一度観ることができました。
 タモちゃん。好きだったよ。トップになってからは特に。タモチャンは今月の歌劇に自分の転機になった作品を「H2」と「夜明けの序曲」をあげていた。納得。特に「夜明けの序曲」。どちらかというとタモ嫌いの友人でさえ、あんな駄作をやり通したのはエライッ!って言ってたもんな。私もそう思った。あのミキちゃんの後をどう受けるか?なんて意地悪な目線も、あの作品では飛ばしようがない。それでも最後まで明るく健気だったよ。強気なお姉さんは私は好きよ。それなのに温かい雰囲気で。何人も欲しいタイプじゃないけど、ちょうど先代方や同期達が濃い系だったので、いいバランスだったよね。かつ、ショーの赤い服の時、昔でいうならサザクロのパタゴニア、こういった時のヤクザな表情も好きだったな。彼女は旬の時が2番手後半からだったので、いい具合の時が見れたというか。

 さて、芝居。結構出だしが好き。あの怪しいイタリア語の歌とか。それにやっぱり中村Aなんかに比べると、言いたいこと、テーマがよくわかる作品だわね。少なくともミケランジェロの生涯を描きたかったのがわかる。コンテッシーナも謎な人だが、心の流れは読めなくもない。メンドリーニも「まどわされるな〜」の歌がフランス衛兵隊への子守歌を彷彿させるが平民代表というのはわかるし。ああ、こう書くとやっぱりアレだな。ま、Aよりはマシということで。
 ショーは確かに古くさい振り付けが多いんだけど、でもああいう団体戦は見てておもしろいよね。ぽっぽさん、好きよ。ううむ、でもチャーリー弱いね。次回の花組がとても不安よ。リカちゃんはベルリンでトップ経験があるし、タータンは実力的にはなんの不安もない人だからね。チャーリー、取りあえずは明るく出てくれ。今公演は出ると場のテンションが下がることが多かったからね。かといってそれを個性と思うには、まだまだなんだよね。

 VISAガールの後任はおさちゃんだとか。まあ、いい人選かと。3番手以下だとね、その上の人が辛いのよね。ヤンさん退団の時も、順当に行けばミキちゃんなのに「VISAがついているからタモちゃんかも」って意見が一部にあって、いらん争いの元になっていたもんね。次々代トップのおさちゃんならそういう争いはおこらないから良いかと。