星組(東京宝塚劇場)「長崎しぐれ坂」「ソウル・オブ・シバ!!」
■2005/07/21(木)
だ〜か〜ら〜〜
むやみに女を
殴らせるなよ!
と、ちょっと腹が立ちます。DVが深刻化している現代、男に逆らえば殴って黙らせる、ってのは、どうなんでしょう?いくら時代劇だからといって。それを見て喜ぶ客がどこにいる。と、演出家に言いたくなりますわ。
 話は、江戸・神田明神の氏子3人が、流れ流れて長崎へ。一人は凶状持ちの伊佐次、一人は伊左次を追う岡っ引きの卯之助、一人は泉の商人の囲われ者のおしま。伊佐次は唐人屋敷、いまで言う在外公館に匿われて5年。奉行所は手が出せないが隠遁生活もそろそろ限界。商用で長崎に来た旦那に付き添い長崎に来たおしまに偶然会った卯之助は、昔は相思相愛だった彼女と伊左次を引き合わせる。二人は逢瀬を重ねるうち、江戸でやり直せないだろうか、と夢を見る。だが遅すぎた。おしまは旦那の元に帰り、伊左次は唐人屋敷を出たところを長崎奉行の同心に撃たれる。
 まあ、ネタ的には好きな方なんですよ。バリバリ時代劇で。でも、イマイチ乗れないだんな〜。主題歌を繰り返し繰り返し歌うところとか、母子モノになるとか、まあ、そんなところが。あとね〜、檀きっきのサヨナラだってのに、メインは伊左次と卯之助の厚い(熱い)友情モノ、それも卯之助→伊左次の一方通行で、檀きっきの出番が少ないし、話にもあんまり絡まないってのがねえ。娘役別格ぐらいでもOKな役回りなんだよなあ。そりゃ、色っぽくて眼福だけどさ。ポっと出て、いつの間にか出番が無くなっているのよ。出番と言えばとうこちゃん以下男役衆。伊左次の取り巻きでウダウダしているだけ。とうこちゃんは突然死んで終わり。他は生きてんだか死んでんだか。う〜ん、なんじゃい。と思ったり。そうかと思えば伊左次のイロの李花(柚長さん)がものすごくイイ役回りで見せ場があったり(柚長さんの演技は好きなので、それそれでいいんだけどさ)。ちょーっと、配役のバランスが悪いんじゃないかなあ。ショー部分をもっと削って、話を深めて欲しかったなあ。ミエコ先生をあんなに使う必要があったのかね。
 伊左次のトドさんと卯之助のワタル君は、イイカンジ。どちらも女に見えないしねえ。ただ、どーーーー見ても、卯之助の片思いなんだよなあ。しかも、あんまり伏線無く、突然告白しているみたいで、ちょっとイヤン。最後の鐘の音がギャグのオチのようでした。笑うところですか?

 一年後、精霊流しを見るために長崎に来るおしま。「♪きょ〜ねんの あ〜なたの お〜もいでが〜 」。劇中なんとなく聞き流している「精霊流し」って、さだまさしのアノ曲と同じモノを指しているんですよね。

 で、ショーなんですが。ビミョ〜にデジャヴ。藤井君と齋藤君は、インド神話について徹夜で語り合ったことでもあるのかな〜、というくらい、「BMB」を思い出させる。齋藤君がオギー化したと思ったら、藤井君が齋藤君化か?と思うくらい。赤の衣装たくさんもそうだけど、後半部分、トップ&2番手と五大神が踊るとか、最後にトップが担がれるとか、なんか知っている光景だよ。それがパクリというよりは、インド神話について、似たようなイメージがあるのかな〜〜というカンジでした。それ以外にもワタル君の黒タキの踊りの音楽が「魅惑II」でワタル君とグンちゃんの場面の音楽だったり、ロケット前のトドさんの歌が85期ラインダンスの曲だったり。ワタ&檀に嫉妬するトウコちゃんの場面がどことなく「パッサージュ」だったり、その後のワタル君復活はサザ・クロみたいだったり、私の好きなショーのコラージュみたいでした。まあ、それなりに楽しかったです。ワタル君がたくさん踊っていたし。 途中ワタ&となの場面がありましたが、わりとビジュアル的には合うと思いました。
 トウコちゃんより下(3番手以下)がちょっと弱いかなあ。まとぶんがいなくなると、しいちゃん、すずみん、レオン君。微妙なラインだわ。たぶんレオン君が一番の路線だとは思うんだけど、まだまだ女の子っぽいんだよねえ。この先どうなるんでしょう。かしげ移動説が出るのもわかるなあ。


■2004/08/09(火)
 ネタ自体は、やっぱり好きなんだけどね〜。時代劇は好きだしさ。ただ、それのヅカ的アレンジというか、まあ、演出面がね、ダメなんだろうなあ。唐人館の娘さんたちは、無理矢理役を水増しした印象だし。きんさんの玉蘭は適役だけど。ショー部分が長すぎるし。一番はやっぱり、アレでしょう。本来は伊佐と卯之のバリバリ硬派な友情話になるべきところが、檀きっきのサヨナラってことで、彼女にも見せ場を与えたら、結局なにもかも描き込み不足になったというか。「お前が囲いの中から出てこなければ、お前は死ぬことはないんだ!」って卯之の気持ちがさ、唐突でなおかつ一方通行。もっともっと描き込んでくれればさあ。楽しいんだけどさ。「黒い瞳」ぐらいにね。ミエコ先生の出番を削れば、あと15分は描き込めたと思うんだけど。ミエコ先生の日舞自体は良いんだけどね。3回観る予定だったけど、あまりにもアレで、1回は捌いちゃったんだけど、それでもなおかつ檀きっき去りし後は、ちょっと寝ちゃったよ。

 これを見ると、檀きっきって、えみくらちゃんと似たような去り方なのかなあ、とか思っちゃったよ。「楊貴妃&ロマンチカ」が本来のサヨナラだった。けど、となみのアントワネットの構想があったんで、もう一作延びたのかな、と。おしまって、娘役1のお披露目に使える役じゃないからさ。繋ぎで残ったのかなあ、なんてことを邪推してみたり。そうじゃないとさあ、サヨナラなのにさあ、見せ場がない上に、残り25分を残して退場なんてことはないよねえ。ショーも、あんまり見せ場がなかったなあ。デュエットダンスでの去り方は好きだけど。まあ、とにかくお疲れ様でした。月組→専科→外部出演(あれ、逆だっけ?)→星組、と、マミちゃん退団時には考えられないコースとなりましたが、アムネリスもロマンチカも好きだったよ。

 トド&ワタは、相変わらず「男」だねえ。ワタル君は、やっぱり、黒タキで踊っている方が好きだ。とうこちゃんの甘い歌声も好き好きだ。ショーが、どことなく「パッサージュ」だと思ったのは、似たような編曲があったからかも。

 なんだかね〜。いろいろ割り切れないんだよね〜〜。それなのに、次はベルばら全ツで裏はこだまっち。あ〜、星組ってばさ〜〜、不遇よね〜。


追記
そうそう。中日劇場での「アイーダ」再演のために檀きっきは留任したって話もあったよなあ、と思い出した。


■2004/08/14(日) 檀ちゃんお見送り
「ユカリューシャ」終了後、すぐに日比谷へ。
19時半頃着いたけど、終演自体が20時ぐらいで、
退団者の皆さんが出てきたのは20時半過ぎでした。
お見送りの人もたくさんいて、すごく蒸し暑かったです。
檀ちゃんは21時過ぎに登場。綺麗、美しい、というより、凛々しい。
私達は入り口近くの所にいたのですが、ちょうどその辺りで、
「今日まで応援いただき有り難うございました」
のようなご挨拶がありました。
ナマ声を聴けてラッキー。
そして、車に乗り込む前。もう一度劇場側に向いて。
みなさ〜ん
愛してま〜す

と大声で叫んで。
感動しました。
 
 
いままで、ありがとう檀ちゃん。
これからも頑張ってね。