月組(日本青年館)「なみだ橋えがお橋」
■2003/09/23 (火)
 金が無いので行こうかどうかとても迷っていたのですが、友人のプッシュがあったので行ってきました。当日券2階B席を狙って行ったら捌きで1階前方上手端を入手できました。柳のそばです。ラッキー!
 モトネタは落語。6個ぐらいかな?噺をうまいこと繋いで1本の芝居になっていました。モトを知っていると、「文七キターーーー」ってカンジで、なかなかに面白かったです。知らない人はどうなのかな?逆に噺家さんが見たらどうなのでしょうか。確かに明治座で堺正章主演みたいな話だし、歌も少ないので、宝塚としてどうよ?と思わなくもないのですが、大劇場作品ならともかくバウなので、舞台装置固定という面も含めて、実験的な作品はOKでしょう。さすがベテラン谷先生なので、うまくまとまっていたと思いました。大笑いの連続で文句なしに楽しめました。
 キリヤンの代役のさららんは良かったと思います。確かに役は作っていないかも。作れるほどの段階ではないかな。でも、そのいっぱいいっぱい振りが役に合っていたと思います。彼女はどことなく品があってホワワ〜ンとしているので、「若旦那」って雰囲気が自然に漂っているのがいいですね。逆にキリヤンだったら、どう作りこんだだろう、という興味はありますが。話を引っ張っていくのではなく、引き回される役なのもよかったね。ちょっと声が嗄れ気味で大変そうだけど、楽しそうに演じていました。ええと、カワイイです。(最近ヤバイのよね。あ〜〜〜)
 あいあいは堂々としたヒロイン振り。表情がいいよね。むにゅ〜って鼻の下をのばす表情が、なんか実写版サザエさんみたいで面白い。けど、売れっ子の花魁としての色気もある。なかなか芸達者だわ。コモちゃんの傾城ぶりもGOOD!したたかなようでいて、実は情に厚い花魁。エリちゃんはダメダメなお父さん。それでも金を差し出す江戸っ子の心意気はさすがなのです。その辺の意地っぱりをよく表現していました。うーさん、旦那、生きていたのね。ちゃんと飛び込んだのに。大店の旦那って雰囲気がありながらも、どこか惚けたところもバッチリです。あーちゃんは病身の母親(役)の時は儚げなのに、本職の身投げ屋の姐御の時は気っぷが良く、切り替えがうまかった。越リュウは坊さんは愛らしく(笑)浪人は格好良く。ナマ足首に萌え萌え萌え〜。本当に私より年下の女の子なのかな〜。ちずさんは黒羽織が似合う女郎屋の女将。ステキ。みっぽーちゃんは父の博打の借金のために身売りを希望する娘。自分の身より親の身を案じているのが健気です。のぞみちゃん、いつもの男臭さを捨て、真面目で堅物ゆえに何故かコミカルになってしまう武士を好演。末子さんの迫力ある女房ぶりには大笑い。お市の青葉みちるちゃんも上品な顔してスゴイこと言うギャップが良かったです。あと!みゆちゃんの声が聞けました。一言だったけど。濁音系でも鼻濁音系でもなく、綺麗な声でした。次は歌が聞きたいな〜。その他、出演者全員がノリに乗って演じているので(文七なんて研1だってさ!)、とても密度の高い芝居になっていました。台詞もクリアで聞き易かったし、掛け合いもバッチリ。久々に「芝居の月組」を見た、ってカンジですわ。客席は、普段より年配の男性が多かったと思います。コレもやれば、ベルばらもやる、それが宝塚。その辺の面白さも感じ取ってくれればな、と思いました。