花組(東京宝塚劇場)「野風の笛/レヴュー誕生」
■2003/09/02 (火)
 専科3人プラス轟様御光臨でどうなることかと思いましたが、「エリザベート」で感じた若さ(=子供っぽさ=未熟さ)が程良い具合にカバーされていました。特に芝居。なかなかに骨太な作品に仕上がっていたと思います。タイトルの「野風の笛」が印象に残りづらいことを除けば、それほど人は死なないし、谷作品としては上出来だと思います。原作付きだといいのかな。トドさんとオサは息のあった芝居でした。アサコの柳生宗矩も落ち着いていて格好良くってさ。トドさんが来てくれたからこの役に当たったと思うと嬉しいなりよ。それに専科の方々。ともみさんの伊達政宗素敵すぎ。汝鳥さんはどこから見ても家康だ。そして未沙さん!未沙さんのジイ!ありがたすぎる〜〜。下手セリ上がりの銀橋渡りまであってさ!もう、オヤジ好きには堪らん芝居でしたわ。あ〜、でも途中煩悩爆裂しました。五郎八姫が「殿には他に心を決めた方がいらっしゃるのですか」と問うた時、主水正は心の中で「それは私にてございます」って言ってるよ〜、と思ったのは私だけ?終盤で五郎八姫を離縁して、これで忠輝と主水の二人の世界ね〜〜と思ったのは私だけ?
 ショーは、草野さんがあえてクラシカルなショーを作ろうとしたのかな?と思いました。聴き慣れた曲が多くて確かにTCAっぽい。アサコが大活躍。オカマのデザイナー、でもレオ様よりリアルだと思うのは気のせい?「白鳥の湖」もなかなか面白いアレンジでした。この曲で黒タキとは!んで、アサコの黒鳥。この人が出てきた瞬間に、世界はオサ・アサに。確かに、ここは離した方がいいかもしれん。どんな脚本を用意しても、二人が見つめ合うだけで、二人の世界が出来上がってしまうわ。来年になったら、誰にも邪魔されない二人だけの愛の世界を作っていた二人が引き裂かれるのね〜〜。と、なんか、壮大なヤホイな物語を考えてしまいました。注)くどいようですが長田さんと土井さんの話じゃないっすよ!ふーちゃんは、正直オサちゃんと合うかわからないけれど、娘1としてはいいと思います。あすかちゃんは、かなり声も化粧も芝居も柔らかくなったと思う。期待大。


■2003/09/13 (土)
 ああ、専科のオジサマたちが素敵・・・。今回はその一言に尽きます。轟さんも入れてです。和物、というより、まったくの時代劇。むかし正月となると豪華者ストで長めの時代劇をやっていましたが、そんなカンジの内容ですよね。主題歌も「地水火風空識」だっけか?「愛」という要素が皆無なのがよろしいおます。オサちゃんはピンでの主演じゃないけれど、のびのびと楽しそうに演じていて、良かったんじゃないかな。男役もそれなりに役があったよね。若手娘役の出番が少なかったかな。
 ショーについて、ややクラシカルな印象を受けたので、前回は草野さんが意識してそういう作品にしたのかな、と思ったのですが、よくよくチラシ等を見たら
小林会長原案
だったよ。ああ〜〜〜〜、どうりでな、と。「愛の燦歌」のトド・オサのデュエットは耳に心地よくていいね〜。その中で踊るアサコもいいじょ。その後のデザイナーは、アサコちゃん自体はいいんだけど、場面としてはおもろくはない。パリのタンゴとかは好き好き。白鳥について、「アダム・クーパーを向かえる予定があるせいか、マシュー・ボーンの白鳥を意識したのか」みたいな文章を見たように思うけど、どこがだ?私はナマは見てないのでなんとも言えないが、なにを持ってマシューなのだ。オディールが男役でホモ臭いからか?しかし、マシューが生まれる前から宝塚ではホモ臭いショーを作ってきたんだよ!(一部誇張アリ)そうそう、この場面は録音なんですが、ヴァイオリンの音が綺麗ですよね。草野さんのこだわりなのかな。「ローズ・ガーデン」の「ローズ・アダージオ」は、演奏は悪いは、大音量過ぎて音が割れるわでヒドイわ〜と思っていたので、ちょっと嬉しかったよ。シャルル・ジドラーの場面、トドさんの歌もいいんだけど、後ろのとしこさんの踊りもいいよね。見惚れちゃうわん。
 階段前のデュエットダンス+1、アサコ。アサコの歌はうまいとは思わないが、でも雰囲気はあるよね。ミキちゃんの華やかさとタータンのオヤジ臭さを持っている気がする。最後、ピシッとポーズを決めた時はちょっと脳味噌が溶けかけたわ。おほほ。