星組(東京宝塚劇場)「プラハの春」「LUCKY STAR」
■2002/07/27 (土)
 谷先生の芝居ということで敬遠していましたが、なかなかに良かったです。無駄な人死にがそれほど無いし、子守唄も人を改心させる手段ではなかったし。原作付きだといいのかな、この先生の場合。「プラハの春」に対してのソ連の介入、それにうまく主役達の愛を絡めていました。正直言って「プラハの春」というか、ソ連をはじめとした東欧諸国の民主化運動弾圧は、まだまだ私には重いことで、それを宝塚で愛の話にするのは抵抗があったのですが、その点は意外によく書けていました。考えてみたら「プラハの春」というこの作品、宝塚に合わない、とも思ったけど、逆に今、こういった話を正面から上演できるのって、もしかしたら宝塚だけかもしれないね。ソ連、鉄のカーテン、もう死語だよね。壁がなくなって、もう10年以上たつんだよね。
 たーたんは若造、というのは少々落ち着いていたな。あきちゃんのカテリーナはピッタリだった。彼女の代表作になると思う。サエちゃんは・・・。正直言って専科のやる役かな?星組出演の実績を重ねる以外、意味の無いような。彼女の善し悪しではなくてね。トウコちゃんはスゴク良かった!!ヤンの若さ、熱さ、絶望感が良く出ていた。こちらの方が2番手の役ではないのか?ねったんのヘスもよかったなあ。彼女、こういう濃い役も似合うよね。かよ・まとが若手筆頭ってとこね。娘役はあまり出番がない?かな。ゴルチェの衣装は全然合っていなかった。無駄な金の使い方だね。
 ショーは・・・。私はハッキリ言ってあまり好きじゃない。最初のダルマ攻撃は別にいいんだけどさ。どうも中村一徳先生のショーは、単純な踊りを単純なフォーメーションで、人数だけは多くで踊らせるのが、なんというか、勿体ないというか。場面ごとのメリハリもないし。ただ通り過ぎるだけなんだよね。こちらでもトップコンビに次いで光っていたのがサエちゃんではなくトウコちゃんだった。トウコちゃん、なんとかトップにならんものだろうか。このまま終わるのは勿体なさ過ぎる。華はあるんだよ〜。背はないけど(涙)サエちゃんが、ホント、目立たない。プッシュ、って気はしないなあ。政策転換なのかな???
 本公演は阪急交通社の貸切のため幕間抽選有り。司会はさっちんこと詩乃優花さんでした。ショートカット&ジーンズで、かなりボーイッシュなカンジでした。

■2002/08/04 (日)
 重たい芝居なので2回目だと飽きるかな、と思ったけど、全然そんなことはありませんでした。最初から最後まで緊張感の漂う、良い芝居ですね。華やかさが衣装だけなので、こういった芝居の場合、周囲の、あまりファンではなさそうなおばさんなどは寝る率が高いのですが、今回はそんなこともありませんでした。やはりねえ、冷戦時代を知っていると、すごくすごく見応えがあるのではないでしょうか。スメタナの曲が、本当にいい具合に入っている。後半、それが転調して明るめになったのは、来るべき自由な未来への暗示なのでしょうね。音楽に力がありました。吉崎先生、ありがとう。そうそう、主題歌は「愛」とか連発で、いかにも宝塚チックなんだけど、作詞は公文氏でした。ははは。メロディーも微妙にムード歌謡系なんだけどね。それがなぜかスメタナの曲にうまく繋がる。不思議ね。私は、宝塚が現実離れした煌びやかな世界でなきゃイヤダ!、と思わない。ただ単に、なにかしらの感動をくれれば、それでいい。ので、今回は非常に充実した気分になりました。

 ただショーがなあ。やっぱり単純な構成だよね。どうせ中村B先生に当たるのなら、新作ショーでなくてサランで良かった、思っちゃいました。上海のサザクロで口直しするぞ〜!