新宿コマ劇場「リボンの騎士」
■2006/08/06(日)
チャルさん、
ブラボーーーーッ!


チャルさんが、男性の歓声を受けて
階段を降りています。
チャルさんが好きな人は、すぐに新コマへ行け!


 神の国にて。人間の魂を手に入れて、人間界に生まれたいと思う者達(天使?)。神の元から魂を盗んで、仲間の一人に飲ませたものがいた。人間界に送るため、それまでの記憶を消し、女の魂を入れられた者に、男の魂が入れられた。彼女の転生と共に、責任をとらされ、仲間達も一緒に転生させられる。
 男女二つの魂を持って生まれたのはシルバーランドのサファイア姫。女の身では王になれないため、王子と偽り育てられる。跡継ぎが女なら、王位は大臣の息子へ渡るのだ。
 シルバーランドの祭りの夜、「亜麻色の乙女」に変装したサファイアは、お忍びで来ていた隣国ゴールドランドの王子、フランツと恋に落ちる。翌日の剣術試合でフランツと、王子の姿に戻ったサファイアは試合をするが、大臣の陰謀で、フランツの剣に塗られた毒で王は死に、フランツは投獄される。フランツを助けたのは、黒衣の「リボン騎士」だった。
 王位を継いだサファイアだが、魔女へケートの企みで、女であることが母の口から漏れる。王位を剥奪され、母と共に投獄され、暗殺されるところであったが、牢番の機転により脱獄する。一方、大臣の息子が王位を継ぎ、国の実権は父の大臣へ。重税、重労働等により、民意は離れ、フランツ率いるゴールドランド軍が城に迫って来る・・・・。

 作品的に言えば、サファイアに二つの魂、ってのがわかりづらい。政治的理由で男と偽っているのと、男女二つの魂ってのは、別物だと思うのだが。なんで戦争になるのかも、よくわからん。そういえば開戦理由はなんだっけ?記憶の彼方。「リボンの騎士」も唐突な上、ちょっとしか出番がない。入れなきゃいけないネタと、キムシンの「戦争はいけない」の説教が、いまいち融合していないかなあ。
 モー娘。と宝塚のコラボ、という点は、どうなんでしょう。チャルさんを堪能できるのは嬉しいし、甲斐先生の音楽はいいと思うし、有村先生の衣装はステキだし、で、ヅカファン的には満足なんですが、モー娘。ファン的にはどうなんだろう。なまじっか、作品主体になっているんで、各自の見せ場とかが、魅力とかが、見辛くなっていない?もっと、アイドル映画的に、各自の個性に宛て書きされる方がいいのかしら?どうなのかしら?最後のミニライブも、ヅカ的には、様式の一部なんでアリなんですが、(「ベルばら」だって、ラテンなショーがつくんだよ)、慣れていない人には唐突すぎるんじゃないかなあ。

 役者について。私はモー娘。は全然わかりませんので、役名で。サファイアは演技も歌もうまい。キムシンが脚本的には書き分けられていないのにも関わらず(すいません)、王子としてのサファイア、亜麻色の乙女、リボンの騎士を演じ分けていました。フランツはスタイルがいいなあ〜。脚が長くて、衣装映えがする。オープニングから目立っていました。魔女へケートは、雰囲気はと歌はいいんだけど、持ち歌が一曲なので、演技も一種類に。キムシンが描き込めていないせいもあるんだけど。大臣の悪役振りはなかなかカッコイイ。口先でなく、陰謀を巡らせているのがちゃんと伝わってくる。大臣の息子は可愛いね。アホボン振りが可愛い。笑いに持ってく場面で、ちゃんと笑わせている。ナイロンは、最後の「お供いたします」の台詞が、ピシッと決められたのに感心。
 マルシアは、歌とか雰囲気はいいんだけど、やっぱ、訛りがきつい。ネームバリューなどがあるとは思うけど、これだけ舞台に需要があるのはわからないなあ。ネームバリューという点を考えなければ、それこそ、渚あきちゃんとか、ヅカOGで見たかったなあ・・・。

 モー娘。の皆さんは、全体的に、役として表現しなければいけないことを、ちゃんと表現できていました。ファンの方の感想を読むと、チャルさんやマルシアに比べて、技術的に・・・・と消沈している人がいるけど、そんな、技術なんてものは、あとからなんとでもなるんですよ。××さんが台詞を言っている、で終わっちゃう人も多い中、私のような者にも、ちゃんと「役」として見せられる、ってのは、なかなか芸達者だと思いますよ。正直、寝るかな、と思ったけど、ちゃんと「ミュージカル」として、最後まで楽しく見せていただきましたよ。あと、舞台での存在感が、やっぱりすごいなあ。一人で立っていても、空間の「間」が持てるんだよね。大きい舞台でも、小さく見えない。これって、なかなかできないことですよ。


 で、ヅカファンの妄想として。ワタ・コムで見たいね〜〜。大臣はトウコちゃん。ナイロンはコウちゃん。でね、でね。牢番はタニちゃん。ああいう役が似合うと思うし。そしてね。「歌で送ろう」と言われて、客が「ご勘弁〜」と思うのよ。うふふ、いいと思わない?