月組(日本青年館)「SLAP STICK」
■2002/07/09(火)
 「SLAP STICK」。「恋はシュラシュシュ」などを歌っていた声優5人のバンドのことではありません(お約束のネタ)。この作品は小柳菜穂子さんのデビュー作。話の作り自体は悪くない。固定のセットでも工夫していろんな情景に見せるし役者の使い方もいいほうだと思う。多くの人にソロを割り振ってくれて嬉しいわ。映画もよかった。ただ難を言えば、主役と狂言回しを一人にさせているので、主役の魅力が浮き上がりにくい。セネットはいつもスタジオの片隅でフィルムをいじっているので成功したんだかなんだか、ようわからん。なんか流されるままの人生のようになっていた。ヒロインとも恋なのか友情なのか、もう少しハッキリさせてもよかったかも。今回はいかにも小劇場仕様だった。大劇場だとどんな作品を書いてくれるんでしょ。楽しみです。
 主演のキリヤン。長所・短所とも常々言われているとうりだった。踊りはうまいし歌もいい。芝居も良くなってきた。しかし背が低くく華がない。ショー部分での光り物も、たんなる衣装で、主演者しか着れない衣装だとは思わせてくれない。もうちょっと技術以外の部分が出ないものか?なまじ個性にあった作品だっただけに無難にこなしたという印象が拭えない。舞台人として生きて行くならいいキャリアになったと思うが、トップを目指すならどうか。いっそ齋藤君の「話はないんだよ!ビジュアルを楽しんでくれよ!!」って作品に出てハッタリを学んだ方が良かったのかな。特にラブシーン(らしきもの)の色気のなさは致命的。いい子なんだけどなあ。
 るいるいは思っていたよりいい。姿勢がまだ男役だしアニメ声だが、芝居はいいと思う。メイベルの気持ちが良く伝わってきた。意外に姫役者系で昔っぽい娘役のタイプじゃないかな?少なくとも最近の月にはいないタイプだね。さららんは、申し訳ないがスタイル悪すぎだ。キリヤンがクマテツなら、さららんは小林十市。足が短い。しかし泣いてるさららんは結構カワイイので、なんとか体形をカバーすることを覚えて欲しい。台詞ももうちょっと明瞭にね。エリちゃんは久々の若僧系で嬉しいわ。オヤジもいいけどね。チャルさんは利太郎とはうってかわってダンディー。ステキ。すばるさん・ちずさんなども手堅い演技でした。その他すえこちゃんをはじめ今回は芸達者な子が多くて見応えのある舞台でした。城咲あいちゃん、何気にポジションアップなのね。