雪組(日本青年館)「送られなかった手紙」
■2004/02/15 (日)
 リカちゃん主演でさえ寝た太田作品だったので少々不安でしたが、それほど眠たくなることもない、なかなか良い作品でした。こういったロシア文学系もたまにはおもしろいですね。私は「市民ケーン」を見ていないので、モトネタが良いか先生が良いのかはわかりませんが。「青春時代を振り返ったときの苦味」というのが、もしかしたら太田先生のテーマなのでしょうか?久しぶりにプロヴァンスを見たくなりました。
 でもでも、今まさに青春真っ只中の壮君主演に、このネタは気の毒すぎ。ネットとかで「壮君初主演なのにアテ書きしてくれないなんて〜」と嘆いているファンの書き込みを見て、「なにを甘えたことを」と思っていましたが、実際見るとね〜。悲しみもわかりますわ。リカちゃんのようにトップ直前の2番手時代なら出せるけど、壮君にはまだまだ無理よ。プロヴァンスで言うところの「獣」の時代の真っ盛りだもんねえ。もっと若さゆえの失敗をして、若さゆえの突進で壁にブチ当たらないと、どうにもならない役だと思うのよ。かなり健闘はしていたけどね。うん、芝居はまずまずです。ただ歌が弱いかなあ。歌唱力はあるんだけど「あなた、ただ一人」といった歌詞のときに心が掴まれないんだよね。歌をソツなく歌っているだけで、感情が込められていないというか。歌っているときも立っているだけだし。なので、歌に入るととたんにテンションが下がりましたね。あと、いろんなところでも言われているけど、女好きには見えないんだよね。フランシス見た後だし(笑)あと、ま、若すぎるせいなんだろうけど、舞台の上でトシを取っていないよね。もうちょっと、1幕は青春時代で、2幕はもう少し大人になって、と時間の流れを感じさせてくれればなあ。でも、仕方がないか。
 専科はイイ味です。チャルさん素敵すぎ。あなたに4千円を払ったのよ〜!ヒロさん、うまい、芝居を締めている。千雅さんも「貴族」っていうのを良く表している。存在だけでそれがわかるのは、さすが専科。その他若手男役はまあまあ。娘役陣は良かったな。晴華みどりちゃんは意識して見たのは初めてだけど、低めのよく通る声が魅力的。風花ちゃん系。演技も落ち着いていて良かったです。お目当てのうちの一人のリサちゃんは、ちょっと丸顔が強調されていたかなあ。ドレス捌き頑張ってね。声と演技はイイと思うわ。その他の娘役さんも良い演技でした。