宙組(東京宝塚劇場)「傭兵ピエール/満天星大夜總会」
■2003/06/08 (日)
 大劇場で上演されたときは「スミレコードぶっちぎりの性描写に眉をひそめた。女性として不快だった。」というような感想が多く見られたので覚悟していきましたが、うう〜ん、それほどは・・・。ジャンヌが投獄されている間に強姦されるのは、まあ、アレかもしれませんが、そうじゃなかったら救出してハッピーエンドとなり、領主になって大団円ができなくなってしまうので、まあ、仕方がないか、と。原作でそうなら仕方がないわな。恨むなら石田先生ではなく、企画を通した人を、です。最初の「生娘」発言には、「10年16作トップで三十路突入の人に言われてもなあ・・・」としらけたムードが漂ったのは否めませんが。それよりも、私が思ったのは
ジャンヌをこんなにアホに
描いていいのか?

でした。フランスから文句は来ませんか?原作でもこんなアホなんですか?こんなジャンヌは初めてですわ。「汚れなき聖女」と「世間知らず」は違うと思うのですが・・・。それを除けば、長い話をよくまとめたな、と。いろんな人に見せ場もあるし説明もうまいし。景子ちゃんを見た後だと、わかりやすくてイイなあ〜、と思います。ただ、皆様
滑舌が悪い
ので、なにを言ってるかわからないところも、しばしば。特に固有名詞がヤバヤバ。聞き取れません。大筋には関係ないので、ま、いいんですが。ハナちゃん(彼女だけはクリアな発音ね)がいないと話が見えないかも、と思っちゃいます。
 ショーは、もう、
いいぞ〜、齋藤君!
ってなカンジ。舞台両脇の龍が煙を吐くとか、「満天星大夜總会」の字とか、開演前から齋藤テイスト。始まったあとも真っ赤とか真っ青とか、齋藤君ならではの色遣い。ウサギの代わりのパンダもいるし。「アジアン・サンライズ」が真面目なアジア特集だったのに比べ、こちらは、鳴門模様の中を龍が泳いでいるような、いかにもな安直な図柄がたまらなくイイです。全般的にテンション高いし。でもHANA-CANGでは、完璧に客は置いて行かれました。ついていけないよ〜。
 伊織さんが退団ということで、見せ場を作ってくれてありがとうでした。大階段、黒タキの頂点に立つ伊織さんを見てちょっぴり涙でした。


■2003/06/17 (火)
 やっぱ石田先生の作品は好きかも。そりゃ、文学的な深みはないけど、テンポはいいし、役者の使い方もうまい。10回通うのはツラいかもしれないけれど、3回なら十分楽しめるのではないでしょうか。前回はジャンヌの天然振りにびっくりしましたが、どうも原作がそうらしいので、これでいいのだ!と割り切れば最後まで面白く見ることができます。今回の何がいいって、たかこさんが主役に見えることだ。今まではどうしてもハナちゃん+たかこさん、だったけど、今回はちゃんとトップ→娘1ってバランスになっている。カッコ良さを堪能できましたわ。うふ。
 ショーは、もう、齋藤テイストでステキ!ブルーイリュージョンもスター・ダスト・パーティーも「狂わす恋」なのね。けへへ。そこが好きだよ、齋藤君。相変わらず不思議な歌詞よね。主題歌CD買っちゃうかも。HANACHANGの、舞台と客席の熱気の差が、2回目ともなると快感です。わはははは。

 いつのまにか組内3番手になっていたゆうかちゃんは親父ヒゲが似合うけど、美形だよね。「HANACHANG」でのスターの役を見て「アルド・ナリスを演ってほしい」と思っちゃった。そういう人を脇においておけないのはわかる気はするわ。劇団の抜擢もわかるし、ゆうかちゃんはヒゲ系に進みたかったのではと推測されるので、退団は仕方がないのかな。あひるは男らしくなっていてビックリ。
月組時代が氷川誠なら
今のあひるは猛くん
(「新・愛の嵐」ね)
ってカンジっす。何気にパレードで3人降りしているし。成長したわ〜〜〜。

 かなみちゃんが部分休演でした。おおむね音乃いづみちゃんが代役。声もしっかり出ていたし、芝居も悪くなかった。宙組にもちゃんと娘役いるじゃん!って思いました。花影アリスちゃんは噂通りハナちゃんにそっくりだった。いつの間にかハナちゃんと変わったりして・・・。

 伊織さんの退団は本当に寂しい。あのクサさが楽しくなってきた今日この頃なのに。あの濃さは退団したら見ることはできないだろうな。勿体ない。でも芝居はうまいと思うので、これからも女優としてご活躍するでしょう。楽しみにしています。